当事者セミナー 働く当事者が語る 「私の選択 ~過去・現在・未来~2」
去る1月16日、国立市民芸術小ホールにて当事者セミナーを開催いたしました。
当事者セミナーは、働くことに興味をもっている当事者の皆さん・ご家族・関係機関・企業の方に向けて「働ける」という気持ちになれるよう、リアルな体験談を伝え地域に普及・啓発していくことを目的にしています。今年度で14回目のセミナーとなり、昨年度から国立市しょうがいしゃ就労支援センターと共催しています。参加者が昨年を上回り、ホール会場も盛況となりました。
第1部では、様々な現場で働いている当事者の姿を写真や映像でご覧いただきました。
「動画を視聴して、みなさんきびきびとお仕事をしている姿がとてもかっこよかった」「様々な仕事紹介があり良かった」「多様な職場や働き方が分かり、希望が持ててとても参考になった」と感想がありました。
実際働いている現場を見て、参加者の方に良い刺激になるならと快く撮影を許可して頂いた企業とご本人に感謝いたします。
第2部では、4名の登壇者に「働く当事者から伝える 私の選択~過去・現在・未来~」をテーマに、働きはじめるまでに準備をしてきたこと、病気や障害との付き合い方、働こうと思った動機やモチベーション、働き続けるコツなどを一人ずつ語って頂きました。
職種は飲食店開店前の準備作業・パン製造・事務・調理で、障害名も統合失調症・広汎性発達障害・選択性かんもく症と様々でした。
その4名皆さんに共通していたのは、準備訓練や就職活動を通して“自分のことを知れて良かった”ということです。「自分の得意不得意等を整理して、理解していなかった自分を知ることが出来た、整理されてくると気持ちが楽になった。」と話されていました。
もう一つは“自分から発信(相談)をする”という事です。「信頼できる人に気持ちを話したり、面談をすることで気が楽になり安定してきた。」と話されていました。働くうえで、気持ちをため込んでしまう人が多いと思います。「日頃感じる毒を吐き、全て毒を出してから我に返る。」と話されていたことは、よくわかるなと共感しました。
今回、セミナーのテーマを“私の選択~過去・現在・未来~”としていますが、それぞれが自分の事を知り相談する事で、変化が生まれ、未来へつながっていくというリアルストーリーがここにあるなと思いました。他にも「誘惑に負けず規則正しい生活をする。」「大きな声での挨拶と返事が忙しい現場では小さいコミュニケーションが大切だ」も印象に残った言葉でした。
休憩を挟み後半は質疑応答の時間とし、4名がステージに上がり、事前に送って頂いた質問や会場からの質問にもお答えしました。
アンケートを一部紹介致します。
障害をもつ当事者の方からは
「今後もこのような大会などを続けて欲しい。」「写真や動画での説明だったのでイメージしやすくとても良かった」「来た甲斐があった。大変ヒントに富んでいた。」「自分にあった働き方を見つけたいと思った。」「自分も自己理解を深めていきたい。」「前を向けるような元気をもらいました。」「心にひびきました」
関係機関の方からは
「就職後を知ることができて良かった。」「今後の支援を考える参考になりました。」「理解の輪が広がる良いなと思えるセミナー」「今日のような当事者発表をまた聞きたいです。」
などの言葉を頂き、セミナーを企画した側としては目的を果たせたと思い、大変うれしく思います。
今回の当事者セミナーも大勢の方が参加され、当事者でしか話せないリアルなことばを届けることが出来、大盛況に終えることが出来ました。
3月中に収録した映像を編集しYouTube版で申し込みをされた方へ配信予定しています。
当事者セミナーは、毎年開催しておりますので、来年度もチェックして頂ければと思います。最後に働きながらも当事者セミナーの準備をしてくれた4人の登壇者に感謝いたします。ありがとうございました。そして、本当にお疲れ様でした。
(オープナー吉岡)