【ご報告】第2回精神障害者就労定着支援連絡会を開催しました

オープナー 2018/11/28

今年度、オープナーでは東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着支援連絡会」を事業受託しています。年4回の予定となりますが、そのご紹介をさせて頂きます。

第2回は“「発達障害とは何か」~企業における就労・定着支援の現状と課題~”と題し、約130名の方にご参加いただきました。

精神障害者雇用の定着の現状は、課題は山積しています。ハローワークからの就職を追った調査でも、1年定着率は49.3%にとどまっていること等が報告されています。「長く安定して働き続けられる」ことについて、働く当事者本人、企業、支援機関が連携していく事は欠かせません。

その中でもオープナーでは、雇用の入り口である採用面接に着目しました。私達は日々の支援の中で職業準備の整った障害者が多く採用されていないことを実感しており、戦力となる障害者がひとりでも多く採用されることを願い、企業の一助となるよう「精神障害者就労定着支援連絡会」事業をすすめていきます。

まず、東京都福祉保健局 障害者施策推進部 就労支援担当課 栁沼恵美課長より、精神障害者就労定着支援連絡会事業についてご説明をいただき開会となりました。

次に、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 研究企画部 障害者支援部門研究員 知名青子氏より「発達障害とは何か~企業における就労・定着支援の現状と課題~」と題してご講演頂きました。

はじめに、“そもそも発達障害とはどういったものなのか”を概念、制度、定義、診断項目等からご説明頂き、とても幅のある障害像なのだということを再確認しました。近年よく使われるようになった「自閉症スペクトラム障害(ASD)」とはどういったものなのかや、発達障害と手帳取得との関連についても教えて頂きました。

次に発達障害をお持ちの方が職業生活で困難さを抱えやすくなる要因を教育の面からとらえ、改めて、大人になってからの職業選択時だけではなく、学生時代からの特性理解の重要性や、それをふまえた職業生活の重要性を知りました。

また「職場における配慮の視点」も紹介して頂き、「職場のルールの指導について」等実際に起こり得る場面を想定しながら、社内だけで対応できるのか、どこからは外部の支援者と対応するのか、どのように指導・介入するか等のレクチャーがありました。

障害者職業総合センターによる研究からは、「採用時に求める“企業が求める能力”」について取り上げられていました。企業規模や段階によってかなり隔たりがあり、小規模の企業ではコミュニケーション能力よりも基礎能力を重視していることがわかりました。また、よく当事者本人は「なにか資格をもっている方が採用時優位になるのでは」と考えますが、採用する側にとってはどの企業規模でもそれ程重視されておらず、志望者と採用側に認識のズレがあることがわかりました。

 

ご参加の皆様からは「発達障害の方の混乱の原因等、障害特性と対策について理解を深めることが出来た」「資料に具体的な能力の掴み方がのっており参考になった」との感想をいただきました。障害者雇用がすすんでいく中、それぞれの現場ではさらに発達障害をお持ちの方と出会う事はさらに増えていく事と思います。

私は発達障害についての研修は何度か出させて頂いていますが、まだまだ障害の定義や障害の捉え方が定まらず変わっていく障害でもあり、ずっと学習し続ける必要があるなと感じました。さらに教育場面、特に学生時代から職業選択について考えるきっかけを作っていく必要性について新たな視点を得ることが出来ました。

ご参加いただいた企業・支援機関の皆様、ありがとうございました。

(高橋智子)

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