『はたらく当事者インタビュー』秋山さん(シダックスオフィスパートナー株式会社)

オープナー 2022/10/06

今回は就労移行支援事業所ピアスの卒業生でオープナーを利用しながら障害者雇用で働き続けている秋山さんとグループリーダーの平井さんにお話をお伺いしました。

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作業中の秋山さん

現在のお仕事内容を教えていただけますか?

秋山さん 事務の仕事をしています。親会社であるシダックスでは給食事業を行っているので、私は毎日の食事のレシピ表作成などを行っています。他にも入社する社員の住所や銀行口座、給料などのデータ入力や、退職する人の離職票の作成などの労務仕事も行っています。

入社までの経緯と入社から現在までの経緯を教えてください。

秋山さん 18歳の時に統合失調症を発症したのですが、32歳までは障害者雇用ではなく一般就労で働いていました。症状は重かったのですが無理をしながら頑張って働いていました。

32歳の時にリーマンショックが起こり、会社を解雇されました。

それからいくら探しても仕事がなく家でぼーっとしていたのですが、主治医の勧めで精神障害者のデイケアに通うようになりました。

2年ぐらいデイケアに通っていたのですが、働きたいという思いがあり、就労移行支援事業所ピアス(以下:ピアス)に通うことを決めました。

就労トレーニングをしてから、障害者就業・生活支援センターオープナーの紹介で現在働いているシダックスオフィスパートナー株式会社に就職しました。

入社当時は週5日5時間勤務から始まって、徐々に就労時間を延ばして現在はフルタイムで働いています。

障害者雇用を選んだ理由を教えていただけますか?

秋山さん 幻聴が聞こえるという症状があり、会社の人間関係がうまくいかず仕事を転々としていたのですが、デイケアに通うようになり障害者雇用というものがあることを知りました。

今まで仕事が続かず一般就労は無理ではないかと思い、デイケアからピアスという流れに身を任せて障害者雇用で働くようになりました。

仕事で大変だと思うことを教えてください。

秋山さん 前職(20代の時)に必死に働いていたので、パソコン操作には自信がありますが、エンジニアという専門技術の仕事だったので、現在の事務仕事の働き方とまったく違うこともあり、仕事への姿勢や言葉遣いなどを上司に注意されることが多いので大変です。

今働く上で努力していることや、工夫していることがあれば教えてください。

秋山さん トレーナーという役割についているので、障害スタッフの一日の仕事の割り振りを考えたり、仕事の指示をだしたりする仕事をしています。

自分自身の仕事量も多いのですが、仕事をしながら周りのスタッフから仕事について聞かれることに対応していて、忙しくてもイライラや怒ったりしないように気を付けながら仕事をしています。

職場ではどんなサポート・配慮を受けていますか?

秋山さん 入社した時から“電話応対が苦手なこと”と、“リーダーはできないということ”を言っていました。

電話応対については、内線の電話だけをとるということを配慮してもらっています。

今はトレーナーという役割をしているのですが、人に指示を出すことなど苦手と伝えているので、他のトレーナーや上司に助けてもらいながら仕事をしています。

日々の生活と仕事のバランスで気を付けていることはありますか?

秋山さん 睡眠がうまくいかないことがあるので、睡眠薬を飲んで寝ることを心がけています。

会社にいるときは仕事のことを考え、会社から出たら仕事のことは考えないようにしています。

支援機関をどのように利用していますか?

秋山さん 月に1回振り返り面談をしてもらっています。会社という空間が苦手というかよくわからないので、面談を通じていろいろ話をして頭を整理しています。支援してくれる人がいると思うことが、精神的にも安心につながっています。

「これから働きたい!」と思っていらっしゃる方にメッセージがあればお願いします。

秋山さん 障害者雇用と言っても障害者が働くことは大変だと思いますが、支援してくれる人や主治医、同じ障害を持ったスタッフなど、一人で生きているんじゃないと思って私は働いています。人間が作る社会だから人間とうまくやっていくことが大切だと思います。

なかなか精神障害者には難しいと思いますが、真面目に働いていれば、ほんのささやかなことかもしれないけれど、いいことがあると思います。

シダックスオフィスパートナー株式会社 グループリーダー:平井さん

秋山さんの印象を教えていただけますか?

平井さん 仕事に取り組む姿勢は、とても真面目です。

現状維持、0か100か、という考え方が強く、自分自身の思い込みと、周りの方との認識のズレが生じることが多い方でしたが、生活環境の変化やプライベートの充実により、人との距離を取った話し方が出来るようになり、前向きな考え方にも変わってきました。他のトレーナーと「協力する」ことにも気付き、トレーナーの1人として、スタッフからの信頼も大きくなりました。

これまでにどのようなサポート・配慮をしてきたのか教えていただけますか?

平井さん 障害は、その方の個性だと思っています。10人居たら10通り、というように1人1人と向き合い、寄り添う気持ちでサポートをしています。

電話対応が苦手な方なので、外線はとらず内線のみで対応してもらうなど、業務の配慮をしています。苦手なことを「やらない」ではなく、何が出来るのかを一緒に考えて、仕事を一緒にしています。

精神障害をもつ方の定着でポイントはありますか?

平井さん 仕事上の問題点や解決方法等を、週に1度、指導員の定例会議を行い情報共有し、スタッフには個別にフィードバックをし、業務の改善や安定につながるようにしています。

支援機関との連携について教えて下さい。

平井さん 定期的な面談の実施と、情報共有をさせて頂いております。

これから働きたいと思ってらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします。

平井さん まずは、働くことができる体調作り、次に自分自身の長所・短所の把握、コミュニケーションを積極的に取れるようになること、最後に頑張りすぎないことをポイントにすると良いと思います。ささやかな良いことがあったり、毎日が楽しい、と思える職場にきっと出会えると思います。

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会社の入り口前 秋山さんと平井さん

インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

令和4年度 多摩就労支援ネットワーク連絡会を開催しました

オープナー 2022/08/04

去る 7月15日(金)に多摩就労支援ネットワーク連絡会を開催しました。

ホームページへの掲載が遅くなってしまい、申し訳ありません。

さて、昨年度まではコロナ渦で密を避けるためにオンラインでしたが、約、2年ぶりに対面式で開催しました。100名入る会場で、定員を50名に設定し、結果、約60名の方にご参加いただきました。もちろん一席ごとに座っていただくことや、席の間にパーテーションの設置、消毒や換気、受付も密にならないように入口を2つ設けるなど、クラスターにならないように、細心の感染対策を十分に行いました。

さて、講演テーマですが

「障害者雇用は本当に進んだのか?」と題し、企業における障害者雇用の現状について、一般社団法人障害者雇用企業支援協会(SACEC) 専務理事・障害者雇用アドバイザーの石崎雅人氏にご講演して頂きました。石崎さん1

障害者雇用は、この10年で、障害者雇用促進法の改正や就労支援関連のサービスの充実などにより、雇用障害者数は59万人を超え、大きく前進しています。つまり、結論としては、「障害者雇用は進んでいる」が、課題は山積とのことでした。

 

では、どのように変化し、どのような課題があるのでしょうか?

講演会では、障害がある方が「障害雇用率がなくても、私を雇いますか?」企業側は何も答えられなかった。と、石崎氏の過去のエピソードを話してくれました。

障害がある方のとてもまっすぐな質問だと思いました。本当に雇用したくて雇用さているのか、必要とされているのか不安の中、働いている気持ちが出ていると思いました。

「雇用率があるからこそ雇われている」流れになっていることも、とても大切な現状が露わになったエピソードだと思いました。

講演会の中で、次のようなテーマで以下のような話をしてくれました。

“企業はなぜ障害者雇用に取り組むのか?”

まず障害雇用はなぜ必要なのか?特例子会社の役割などについて、そして、国連総会で全加盟国が合意したSDGsの目標も雇用に関係しているとのことなどの説明がありました。

今、企業は雇用率があるから取り組むだけでなく、SDGsの「誰一人取り残さない持続可能でより良い社会の実現」という経営課題として捉えられるべき事柄であり、企業戦略の一角になっているとお話がありました。

また、調査・アンケートなどから障害者雇用数、特例子会社数は10年前より1.5倍増と着実に進展し、特例子会社で雇用されている数は2倍増と特例子会社の役割は大きいということでした。一方でいわゆる中小企業はなかなか進展しない、雇用代行ビジネスの利用の是非、障害がある方の1年間での定着は50%を切る難しさ、障害がある方及び親の高齢化など様々な課題も出てきたこと。

障害者が取り残されないためにも“雇用の質”が求められる。

全体1これまでの福祉から企業への一方通行ではなく、これからは福祉と企業が連携して“雇用の質”の追求をしていくことが重要との話がありました。

 

 

講演会終了後の皆さんからのアンケートでは…

  • 「障害者雇用の実情や今の課題など分かりやすい説明で参考になった」
  • 「障害者の働き方・働く事について改めて考え向き合っていきたい」
  • 「業務の質について考えることが出来た」

など

就労系支援機関・精神科デイケアからは、所属のサービス提供について、企業からは、安定して働いてもらうための関わりはどうしたらよいのかなど現状を振返り、今後どうしていくのかを考えさせられたという意見が沢山ありました。

今回のテーマ「障害者雇用は本当に進んだのか?」

これからは「ただ雇用する」時代は終わり、これからは継続をしてもらえるための“雇用の質を求める”について、改めて考える転換期だと思いました。

一方で、企業も生き残りをかけた経営で、人材も大事だとすると、雇用する人選条件が高くなり、入口が狭くならないようにしてほしいとも思いました。

雇用の質を求める一方で、企業に対する障害理解や業務マッチングなど、就労支援機関、医療機関も連携し、障害がある方を中心とした、相対的にWin-Winな関係になる社会を目指し、そして障害がある方が幸せになるように関わっていけたらと思いました。

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[受付終了]多摩就労ネットワーク連絡会議

オープナー 2022/06/21

[6/21(火)15:30更新] 定員を超えるお申込みを頂いたため、受付を終了いたしました。ありがとうございました。

毎年ハローワーク立川と共催で行っております、『多摩就労ネットワーク連絡会議』を今年度も開催いたします。

「障害者雇用は本当に進んだのか?」あらためて今、現状・課題をふりかえる~

ご登壇:一般社団法人障害者雇用企業支援協会

常務理事・障害者雇用アドバイザー 石崎 雅人 氏

・日 時  2022年7月15日(金) 14時~16時
・場 所  立川地方合同庁舎(ハローワーク立川) 3階会議室
・対象者  就労支援機関・ハローワーク・企業・行政・大学・就労相談・支援に携わる方
・定 員  50名(定員になり次第締め切りとなります)
・申込〆切 先着順・6/24(金)まで

ネットワーク連絡会議 お申込みページ(Googleフォーム)

HP告知PDFサムネイル

2022 ネットワークチラシ

 

 

 

 

 

お問い合わせ:障害者就業・生活支援センターオープナー TEL:042-577-0079

【ご報告】シリーズ第11弾!!「 働く当事者からのメッセージ」~気づく・書く・伝える~

オープナー 2022/04/01

去る令和4年1月19日(木)にオープナ主催のシリーズ第11弾!当事者セミナーを開催しました。

本来であれば、令和3年度中にホームページの更新ができればよかったのですが、遅くなってしまい、本当にすみませんでした。

 

令和2年度に初のYoutubeでのオンデマンド配信を行い、大変好評でした。当時、事前収録写真「リアルタイムでのやり取りのある雰囲気があったらといいなぁ」との感想も多くありました。そのリクエストにお応えして、今回、本編はそのまま事前収録した内容を配信し、質疑応答はライブ配信で行うハイブリッド式にチャレンジしました。

 

当事者セミナーは、「働きたい」を「働ける」と思えるように自信をつけ、次は「働き続ける」ことを目指し、紆余曲折しながらも「働き続けられてきた」ことをテーマに働く当事者が本音で語ります。

今回のテーマは「気づく、書く、伝える」で、転職含めて10年前後勤続している、3名の当事者が登壇し、スタッフが進行しながらシンポジウム形式で行いました。

Q:障害雇用で働くきっかけは何ですか?

A:「悪化しないで、続けられることが大切だから」

 

他の質問では、「就職までに準備してきたことは?」「オンオフの切り換えは?」

などいろいろな角度からの質問をしていました。

3名がこれまで“働き続けてこれたこと”のすべてのやりとりは視聴していただければと思います。

 

質疑応答については、オンデマンド配信では残念ながら編集でカットされてしまいます。そのため、一部ご紹介いたします。

Q:長く働くアドバイスを下さい。

A:「自分の出来る事のベストをする」「支援者をつける」「折り合いをつける」

Q:不安との向き合い方は?

A:「不安だらけ、支援者の助けで乗り越えた」「会社に行きつづけることで低くなる」

他にもいろいろな質問が出て、当事者とのやり取りができることはライブ感があり、とてもいいなぁと思いました。

 

視聴した方からのアンケートでは、

当事者の皆さんからは「苦悩と向き合う勇気の大事さをみてとることができました。」「モチベーションが上がった。」「考えている事や陥りやすい問題点など自分と似ている所があって参考になった。」

施設や関係機関などは「障害者雇用という枠組みの中で折り合いをつけている様子が分かり参考になりました。」「ひとことひとことに説得力がありました。」

企業の皆さんからは「当事者の方が長く安心して働ける環境づくりに引き続き努めてまいります。」などなど大好評でした。

 

不安や葛藤、困難を乗り越えてきたことや、働き続けることで自分なりの働き方や体調管理などを見つけてきたことなどが語られました。

三者三様の蓄積された経験から出る言葉は、ご視聴いただいた皆さんにも届いたかと思います。また、Mさんからのメッセージ「焦るな、落ち着け、気にするな」という言葉は印象的でした。この言葉は、実は誰にでも当てはまりそうですね(笑)

 

オンラインでの開催は会場までの移動がない分、多くの方が参加しやすいと思います。それは、大勢の方に当事者の生の声を発信できる機会が増えたことでもあると思います。一方で、以前までの会場参加型の良さ(外のイベントに初めて参加するチャレンジをしたい・たくさんの人の前で質問してみるチャレンジをしたいetc)からは離れてしまっていることも確かだと思います。

社会情勢として、会場参加型で開催できる日がくるのを楽しみにしているところです。

 

追加収録写真③ 実は、セミナー終了後、3名の当事者にご協力いただき、追加収録もしました。

内容としては、「気づく」「書く」「伝える」のメリットについて、ご意見をいただきました。特に、「書く」ことについて、様々な意見がありました。

また、オンデマンド配信では、ご自身の自己理解を深める「マイノート」についてもご紹介しています。

 

※現在は「オンデマンド配信」は終了しています。大変申し訳ございません。

 

出演して下さった3名の当事者に感謝します。お疲れ様でした。

 

『はたらく当事者インタビュー』百田さん(東京グリーンシステムズ株式会社)

オープナー 2022/03/04

今回は就労移行支援事業所トゥリニテ(ピアス分場:現在は閉所)の卒業生でオープナーを利用しながら障害者雇用で働き続けている百田さんスタッフの谷川さん、戸村さんにお話をお伺いしました。

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総務業務をしている百田さん

現在のお仕事内容を教えて頂けますか?

百田さん:親会社のSCSKとグループ会社の入ったビルのメールセンターで、SCSKから請け負った業務の仕事をしています。社内便の集配、郵便・宅配便の受付業務等のメール業務と、入館証貸出業務、備品貸出業務、電話・対面での社員対応、等の総務業務などがあります。その他に給茶機の給水等やSCSKで使用しているレンタルPCの回収受付や、年に一度の大仕事の業務用カレンダーの納品の業務などもあります。

入社までの経緯と入社から現在までの経緯を教えてください。

百田さん:統合失調症の発症前は、営業の仕事をしていました。その仕事で心の調子を崩し、入院し、退院後は作業療法、デイケアと少しずつステップアップしてきました。

縁がありまして、トゥリニテ(就労移行支援事業所ピアスの分場:現在閉所)でトレーニングをしました。その後、オープナーに登録し職場実習等を経験し、東京グリーンシステムズの面接を受け入社しました。

入社時は多摩センターの東京グリーンシステムズ(以下:TGS)本社の清掃チームに所属していました。6年間位清掃業務を行った後、豊洲のメールセンターに異動しました。この部署で5年目です。

障害者雇用を選んだ理由を教えていただけますか?

百田さん:発症→入院→デイケア→作業所という流れの中で障害者雇用を選ぶのは自分にとっては自然でした。流れに身を任せた感じです

職場ではどんなサポート・配慮を受けていますか?

百田さん:段階を経て仕事を教えてもらっています。新しい仕事を増やすことでミスが頻発することになった時は、また一段下がりミスがでないよう立て直すようにさせて頂くなど配慮して頂いています。あと、自分は自信がない時等に声が小さくなる特性があり、その時は指摘して頂いています

 支援機関をどのように利用していますか?

百田さん:入社してからは、仕事やプライベートでどうしても困ったことがあった場合、相談させて頂いています。現在は、タイミングよく手遅れにならない内に相談することが重要だと思っています。又、毎月オープナーの談話室に出ています。今はコロナ禍の関係でZoomを使ったオンラインで行われていますが、オープナーのメンバーと顔を合わせることを楽しみの一つにしています。

仕事で大変だと思う事を教えて下さい。

百田さん:ものすごく難しい業務は行っていませんが色々な業務があります。忙しい時は、業務が集中しますので、焦りすぎないようにしようと思っています。

また、電話や対面でのSCSK社員の対応では、業務に関する色々なことを色々な聞き方で質問をされます。ここでも焦らずに、なるべくマニュアルの型に当てはめるように頭を整理しようとしています。

 今働く上で努力していることや、工夫していることがあれば教えてください。

百田さん:自分なりのマニュアル作成、チェックリスト作成を行っています。また、それぞれ更新を行うようにしています。

また、報連相も重要です。上長への報告はもちろん、メンバー間で必要な場面も多いです。適宜、端的な報連相を行えるよう、本を読んで勉強したりもしました。ですが、ここでも実際に上長から指導を受けたこと等の経験をもとに、自分なりの報連相マニュアルを作っていくことが重要かと自分は思いました。

 もしよければ、百田さんの夢を教えてください。

百田さん:仕事では、何年かかるか又実現するか分かりませんが今の部署で「チーフ」になることです。将来、わずかでも出世したいです。

プライベートでは、趣味を上達させ「上手なアマチュア」になることです。ボウリング、水彩画を書くこと、音楽等があります。

「これから働きたい!」と思ってらっしゃる方にメッセージがあれば。お願いします。

百田さん:自分が入院していた当時は、将来また働けることはあまりイメージしていませんでした。でも、現在は元気に働いています。それまでの過程の間に、たくさんの方々のお力添えを頂き、ステップアップを重ねることが出来ました。

もし、働きたいとお考えの方は、『必ずや働けます』と思いますので、トレーニング等を頑張ってください。働きたいけど自信がないという方は、自分もそうでしたので、支援者の方達に力を借りたりしながら、ステップアップをしていけばきっと働く将来は近いと思います。

東京グリーンシステムズ株式会社 スタッフ:谷川さん、戸村さん

百田さんの印象を教えていただけますか?

・スピード感はあまり感じないのですがとにかく正確に作業を行い真面目。

・でも百田さんは堅物では無く、多芸多趣味で人間味がある社員です。

・他の社員からの信頼感が厚く、憎めない存在です。

これまでにどのようなサポート・配慮をしてきたのか教えていただけますか?継続しているポイントはありますか?

・障害者に寄り添いながらの作業支援を行っています。

・自分の主張だけでなく、支援者や時には医師にも意見を伺いサポートを行っています。

・継続しているポイントは記録を付ける事によってノウハウが蓄積していっています。

支援機関との連携について教えて下さい。

・定期的に支援会議に参加して頂いて第三者的な立場の意見を活用しています。

・支援機関が開催しているセミナーは重宝しています。

これから働きたいと思ってらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします。

・前向きな考えを持ちチャレンジ精神があると良いと思います。

・自分の強み、弱みを自分自身で把握してうまくいった時の事や落ち込んだ時は

どのように回復していったらいいか記録を付けると良いのでお手伝いします。

・落ち込んだ時は一人で悩まず、必ず、上司や支援者に相談できると良いと思います。
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会社の受付前 左:スタッフ谷川さん 中央:百田さん 右:スタッフ戸村さん

インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

[終了]精神障害者就労定着連携促進事業 第2回セミナーのお知らせ

オープナー 2022/02/28

[2/28更新] 公開を終了いたしました。

[2/1更新] お申込み頂いた皆様へ動画URLをメールにてお知らせ致しました。

[1/21更新] オンデマンド版の受付を終了いたしました。たくさんのお申し込みをありがとうございました!

オープナーでは今年度より東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着連携促進事業」を事業受託しています。今年度は、感染予防の観点からYouTubeを活用したオンデマンド配信で開催を続けております。

第2回の今回は、『気づく、書く、伝える』~自己理解、情報共有のためのマイトート活用のすすめ~と題し、1/19(水)に行いました「当事者セミナー」(ライブ配信)の再編集版と当法人が今事業で作成した「マイノート」のご紹介を加えた内容でオンデマンド版として配信を行います。

自己実現・課題の解決には、自己理解を深め、自分や状況にあったプランを作成することが求められます。また、障害者雇用で働いていくには、助力(支援や配慮)を他者に得ることもあるかと思います。これらは自己理解があってはじめて自分にとって適切なものとなります。

マイノートは気づく、書く、伝える事を補助するツールです。人事・採用担当の方、支援機関の方にもツールを知って頂き、ご活用頂けましたら幸いです。

配信期間 令和4年2月1日(火) ~ 2月28日(月)
配信URL お申込み頂いた方のみの限定公開
資料 お申込み頂いた方にメールにて配布
対象 精神障害者の就労に関心のある企業、就労支援機関、当事者の方々

 

登壇者 ◆第1部 シンポジウム 当事者が語る!
  働く当事者3名
  障害者就業・生活支援センターオープナー 高橋智子
◆第2部 自己理解、より良い情報共有のためのツール「マイノート」の活用について
①「マイノート」について説明
  障害者就業・生活支援センターオープナー 吉本佳宏
②医療機関の立場から考える。「マイノート」の可能性について
  国分寺すずかけ心療クリニック リカバリー支援部 部長 岡本和子氏
  国分寺すずかけ心療クリニック リカバリー支援部 二宮史織氏

 

【お申込みはこちらまで】 令和3年度 第2回セミナー申込フォーム 終了しました

(セキュリティ関連で申込が出来ない場合、オープナーまでご連絡下さい)

 

お問い合わせ先:オープナー 吉本・高橋(042-577-0079)

[終了]シリーズ第11弾!当事者セミナー

オープナー 2022/02/01

[2/28更新] オンデマンド配信の公開を終了いたしました。

[2/1更新] オンデマンド配信のURLを申込みの皆様にお送りしました。

[1/19更新] ライブ配信が終了しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

この度「働く当事者からのメッセージ」シリーズ第11弾として、「働く当事者が語る ~気づく、書く、伝える~と題し当事者セミナーを行うこととなりました。

例年150名越えの皆様に会場にお集まり頂き開催してきましたが、2020年からは動画配信での開催に切り替えて開催しています。

今年度はさらにバージョンアップし、各施設の皆様から頂いた「働いている人に直接質問したい!」「生でやりとりをしたい!」という声にお応えしてライブ配信+オンデマンド配信の2種類で開催することといたしました。今年も当事者にしか話せない、当事者の立場からのことばをこれから就職を考える方・支える支援者の方・迎え入れる企業担当者の方に受け取って頂けましたら幸いです。

以下のフォームリンクよりお申込みください。

◆ライブ配信(zoom) 2022/1/19(水)13:30~14:30

【第1部】当事者セミナー+質疑応答(生配信パート)

働く当事者3名が登壇! 働こうと思った動機やモチベーション、働き続けるコツ等体験談を語ります。

◆オンデマンド配信(YouTube) 2022/2/1(火)~2/28(月)

【第1部】当事者セミナー

【第2部】ツール「自己理解、より良い情報共有のためのマイノート」のご紹介

医療機関・支援機関の立場から、自分自身を知る手がかりや周囲に伝えるメリットについて考えます。

申込フォームからご登録下さい →申込フォーム 終了しました

なお、昨年度に引き続き視聴につきましては、フォーム内にあります「当事者セミナー視聴にあたってのお願い」をご同意いただいたデイケア・事業所・企業が対象となります。「視聴にあたってのお願い」は、ライブ・オンデマンド配信どちらでも、登壇する当事者の方に安心・安全にご講演いただくため、またセミナーが成功となるように、お願いしております。ご確認・ご協力の程どうぞよろしくお願い致します。

お問い合わせ先:オープナー 高橋・吉本(042-577-0079)

[終了]精神障害者就労定着連携促進事業 第1回セミナーのお知らせ

オープナー 2021/11/10

[11/18(木)更新] 大変多くのアクセスを頂きありがとうございました。公開期間を予定通り終了いたしました。引き続きご閲覧ご希望の方は個別に対応させて頂きますのでオープナーまでご連絡下さい。

[11/10(水)18時更新] ご視聴およびアンケートのご回答ありがとうございます。配信期間後の視聴お問合せを頂いているため、1週間配信期間を延長することになりました。お申込みお待ちしております。

オープナーでは今年度より東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着連携促進事業」を事業受託しています。

平成30年度~令和2年度までは、「精神障害者就労定着支援連絡会事業」として、年4回のセミナーやオンデマンド配信によるセミナーを開催して参りました。

今年度は、未だ続く新型コロナウィルス感染予防の観点からYouTubeを活用したオンデマンド配信とし、第1回連絡会(セミナー)を開催することとなりました。

今回は、『精神障害者の就労定着を考える~より良い人材に出会うための採用面接コミュニケーションツールの活用~』と題し、配信を行います。

障害者雇用の採用面接において「何を」「どこまで」「どのように聞くのか」、ヒントになるメッセージが盛り沢山の内容となっております。人事・採用担当の方、支援機関の方にツールを知って頂き、ご活用頂けましたら幸いです。

配信期間 令和3年10月11日(月) 10時 ~ 11月10日(水)17時  11月17日(水)17時 終了しました
配信URL お申込み頂いた方のみの限定公開
資料 お申込み頂いた方にメールにて配布
対象 精神障害者の就労に関心のある企業、就労支援機関、当事者の方々

 

登壇者 1.精神障害者就労定着連携促進事業について
  東京都福祉保健局 障害者施策推進部 地域生活支援課(就労促進担当) 横田 明美氏
2.精神障害者雇用企業の取り組みについて
  SOMPOチャレンジド株式会社 総合企画部課長 大住 悠子 氏
3.採用面接コミュニケーションツールの考え方と使い方
  医療法人社団碧水会 長谷川病院 デイケア科 科長 佐々木 真一 氏
4.採用面接コミュニケーションツールの具体的項目について
  社会福祉法人多摩棕櫚亭協会 障害者就業・生活支援センター オープナー 川田 俊也
5.採用面接コミュニケーションツールの活用について企業向け個別ワーク
  東京障害者職業センター多摩支所 主任障害者職業カウンセラー 小野寺 十二 氏
【お申込みはこちらまで】 令和3年度 第1回セミナー申込フォーム

(セキュリティ関連で申込が出来ない場合、オープナーまでご連絡下さい)

令和3年第1回連絡会チラシ(PDF)

お問い合わせ先:オープナー 吉本・川田(042-577-0079)

地震発生、今後にご注意下さい。

法人本部 2021/10/07

利用者・メンバーの皆さんへ

関東地方で地震が発生しています。各地域の職員からの情報によりますと、概ね、直接的な被害は現時点ででていないと確認しております。

ただし、一部交通機関で乱れがでており、早朝も影響が出ることが見込まれます。

遅延等の旨を各事業所にご連絡いただければ対応いたしますので、慌てずに行動していただきますようよろしくお願いします。

鉄道運行情報(yahoo)

JR運行状況

とりあえず一報まで。

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

『はたらく当事者インタビュー』堀井さん(株式会社KSK)

法人本部 2021/09/16

今回は就労移行支援事業所ピアスの卒業生でオープナーを利用しながら障害者雇用で働き続けている堀井和宏さん上司の株式会社KSKの金谷さんにお話をお伺いしました。

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現在のお仕事を教えて頂けますか?

堀井さん:KSKに入社してからもうすぐ二年半になります。今は管理本部の経理担当という部署で働いています。勤務時間が基本的には週5日の8:30~17:30なんですが、(コロナ禍なので)今は時差出勤で、7:30~16:30で働いています。

業務内容は各事業部から届く諸経費の請求書の計上処理や、その支払いの処理とか、あとは売上データなどの社内システムへの取り込み作業などを行っています。その他には、『5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動』に関わる業務や、エンゲージメントという社内の交流促進のためのイベントの企画に取り組んでいます。

しごと風景

堀井さんの仕事風景、後ろにあるのが5S活動を管理する「VMボード」

 入社までの経緯を教えてください。

堀井さん:前職を退職して転職活動をしていたんですけど、それがちょっと思うようにいかず、体調を崩しかけたことがあって、生活のリズムを維持するために、ピアスの就労移行支援を利用しながら就職先を探していました。ピアスの利用は2度目だったんですが、利用を決めるのには大分葛藤がありました。体調を崩して辞めたわけではないのに、再度訓練をする場に逆戻りするみたいな感じが強くてその時は複雑でした。今考えたら体調を戻すためには必要というか、使ってよかったなと思っています。

 障害者雇用を選んだ理由を教えていただけますか?

堀井さん:通院や、支援機関との面談など、支援・サポートを受けるための休みがとりやすい。突発的な体調不良とかにも対応してもらえるというのが大きなポイントだと思います。

ただ、障害者雇用の給料とか待遇の面で不安があって、クローズで働きたいと思っていたので悩んだところでした。

職場ではどんなサポート・配慮を受けていますか?

堀井さん:突発的な体調不良にも理解してもらえる点なんですが、それは(障害への)配慮というか、そもそも誰かが休んでも誰かがフォローできるみたいな体制がしっかりしてるのもあって、安心して休めるみたいな。そういうところが配慮と言ったら配慮かなと思っています。

もともと障害者雇用とか関係なくお互いにサポートしあう体制ができている?

堀井さん:そうですね、マニュアルもしっかり整備されていたので、それを見ればだいたいできるみたいな。

ほかには会社に配慮していただいていることはありますか?

堀井さん:ないというと語弊があるんですけど、逆にあまり配慮されても、窮屈さを感じてしまうので、見守ってもらえていて、のびのび仕事ができています。

支援機関をどのように利用していますか?

堀井さん:そうですね、こういった職場への定期訪問もそうですし、支援者との面談が月1回あります。それ以外にもOBの集まりに参加したり、今はどっちもオンラインなんですけど、人と話すことが一つのストレス発散法なので、できる限り活用できたらなと思っています。

今働く上で努力していることや、工夫していることがもしあれば教えてください。

堀井さん:睡眠をすごく大事にしています。今、朝早く起きていることもあるので、そのために早めに寝るってことと、1日8時間は寝ないと体力が落ちるような気がするので、ちょっと昨日寝れなかったなと思った時には、仮眠を昼休憩の時にとったりしています。

数字を使う神経を使う仕事も多いので、張り過ぎないように気分転換に5Sに関する手作業などを行って気を紛らわすというか気分転換していますね。

もしよければ、堀井さんの夢を教えてください。

堀井さん:夢ですか。無いですっていうか。無いことはないですけど。うーん。このまま元気で過ごしていく事です。なんか、年寄り臭い(笑)

っていうか、変な言い方ですけど。結婚もしたし、家もあるし、ほかに何を望めばいいのかっていうのが、正直。何を目標にしようかなって、むしろ思ってます。

これから働きたい!と思ってらっしゃる方にメッセージがあれば、お願いします。

堀井さん:さっき、5Sって話しをしましたけど、3Sが大事かなと思ってます。

『睡眠と相談と積極性』

睡眠を十分とることで、体力をつけたり、生活リズム、安定させる。

相談することで、相談相手が自分の状況を理解してもらえたり、いざと言う時に、サポートをもらえるっていうところが大きいと思います。

で、最後の積極性なんですけど、そういう姿勢を見せていれば、仕事を任せてもらいやすくなったり、それが循環して、仕事へのモチベーションになったりするのかなって思ってます。

気軽に相談していただくことが、お互いの良好な関係を長く続けていける秘訣なんだろうなと思います。

株式会社KSK 金谷さん 

堀井さんの印象を教えていただけますか?

金谷さん:堀井さんはさっきの3Sじゃないですけど、非常に物事に前向きに積極的に、取り組んでくれているなという印象です。

KSKの場合、エンゲージメントという社内の親睦、コミュニケーションを高めることにすごく力を入れていますが、そのチーム活動に積極果敢に取り組んでもらっていて、今では『チームKSK』の中心メンバーです。

打合せ風景

経理チームの打ち合わせ風景、積極的に発言しています(左奥から2番目が堀井さん)

どのようなサポートをしていますか?継続しているポイントは?

金谷さん:サポートというほどではないのかもしれないですが、月に一回、ドアノックコミュニケーション、DKCという1on1ミーティングを、堀井さんに限らずメンバー全員とやっています。最近の日常生活についても含めて話をしています。気になること、困ったことがあったら、気軽に声をかけてね、と話しています。実際に堀井さんの方から、早い段階でシグナルを送ってくれるので、それが長続きしている一つの要因なのかなと思っています。

(面接に限らず)業務時間中とかに「ちょっといいですか?」と呼んでくれて、「今日体調悪いので、早退してもいいですか?」。そこまで至らなくても、「あのう最近ちょっとこうなんです。」と打ち明けてくれるんですね。そういった話をしてくれるので、こちらもすぐにそれに対して対応することができています。

自分のことを相談・発信しやすい雰囲気が職場の中にあるのですね

金谷さん:そうですね。そういう環境はできてるという感じはしますね。KSKは2014年に「健康経営宣言」を発表して以降、社長が健康経営のトップとなり、社を挙げて「心・技・体」三位一体の人づくりを推進しています。このような社風から生まれる風通しの良い雰囲気が、働きやすい職場環境に繋がっているのではないかと思います。

 

堀井さんがお互いにカバーし合う文化があるとおっしゃられていましたが、以前からあるのですか?

金谷さん:そうですね。仕事の面でいえば「マルチタスク」と言っていますが、一つの業務について属人的にならない様に、同じセクションの中で複数の人間ができる様な体制に常にしています。そういった中で堀井さんはできる業務を増やしていっています。そういう状況が、さっき堀井さんが言ってた『休みやすい環境』につながっているのではないかなと思っています。

それは障害あるなし関係なく働きやすいですね。

支援機関との連携について教えて下さい。

金谷さん:(本人・会社・支援機関が顔を合わせる)こういった定期的な三者ミーティングをするのは、こちらとしても大変助かっています。

上司に直接話しにくいことを、抱え込んでしまってどんどん傷口が広がっていくよりは、間に入ってもらうことで、早い段階で解決策が見つけられるので、こういう支援機関がいていただけるというのは会社にとってもありがたいことだと思っています。

他の社員で支援を受けているという話は聞いても、こういった形で定期的に訪問してもらってやりとりするっていうのは今までなかったんですね。これもそれこそ長続きする要因の一つなのかなとは思います。

これから働きたいと思ってらっしゃる方に向けてメッセージをお願いします。

金谷さん:やっぱり会社の中で、コミュニケーションを積極的にとっていただく、それから何か気になることがあれば、気軽に相談していただくことが、お互いの良好な関係を長く続けていける秘訣なんだろうなと思います。

最初のうちってどうしても委縮して遠慮しがちになってしまいますけど、そこはあまり後のことは考えずに、気軽に今自分が抱えてる悩みだとかを早めに共有していた方がお互いに良好な関係がもてるんじゃないかなと思います。

堀井さんも入社して早々の頃、ちょっと頑張りすぎになっちゃったことがありましたけど、「ちょっと辛いです」みたいな感じのことを言ってくれれば、仕事を少し分散させたりとか対応はとれるんで、抱え込まずに発信していただくのがいいんじゃないかなと思いますね。

インタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

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