みなさんお元気ですか?~在宅勤務、2週間目に思う~

法人本部 2020/04/20

理事長 小林 由美子

メンバーの皆さん、その後お変わりなくお過ごしですか?

先週から棕櫚亭は、国の緊急事態宣言を受け、各事業所のサービスを通常から変更し、皆さんにご利用いただいております。通所サービスから在宅サービスへ、また電話相談のみの対応や時間が縮小されたりと、大変なご不便とご迷惑をおかけし申し訳なく思っています。またスタッフ体制もサービス提供にあたる一部のスタッフを除いて、皆、自宅待機となりました。そういう私も、羽村という所に住まいがあり、電車を乗り継いでの出勤となるため、現在は在宅勤務をしています。この文章も自宅のパソコンで打っています。

ところで、皆さんは先週から始まった在宅ライフをどのように過ごされていますか?私はというと、最初でこそ「あ~、通勤がないから楽~。」なんて、のんきなことを思っていましたが、一日一日と日がたつにつれ、在宅での生活リズムを作るのに四苦八苦しています。朝決まった時間に起きる事、シャワーを浴びる事、朝食をとる事、そして身づくろいする事(化粧も含む・・笑)、今まで億劫以外の何物でもなかったこの一連の作業が、実はリズムを作るのに一役買っていた事を今さらながら痛感しています。これがなくなった今、もともとの「ものぐさな私」が少しずつ顔を出し、今までのリズムを侵食しようとする。そこを踏みとどめていくのは結構大変な作業です。

こんな時、「メンバーのみんなはどうしてるんだろう?」なんて思います。私はいつもスタッフの立場で皆さんに、「生活リズムが大切です。」やら「調子の波をコントロールしましょう。」などとよく言っていました。でも、自分がそれをしなければいけない立場となった時、なんともそれが難しい事だと実感しました。「どの口が言ったんだか・・・」大いに反省です。きっと今までの私の生活リズムは、職場あってこそ保たれていたもの、それがなくなったらいとも簡単に崩れてしまうんだと思い知らされた先週でした。

もしかしたら、通所サービスから在宅サービスになったり、今回の事で生活になんらかの変化があるみなさんも、同じ思いをされているかもしれません。でもみなさんは日頃から生活リズムに気を配ったり、調子の波と付き合い慣れているベテラン。そこが私などとは大きく違う点だと思います。ぜひリズムが崩れた時の立て直し方や、自分のコントロールの仕方など、みなさんが蓄積してきた知恵を教えてもらいたいものだなぁなどと思ったりしています。

さらに在宅になって感じた事をもう一つ。やはり一人で仕事をするのは淋しく、何となくやる気が出ないという事です。日頃、職場に行けば仕事に追われ、「あ~ ゆっくり考える時間が欲しい・・・」なんて思ったりもしました。でも、在宅になった今、時間さえあればいい仕事が出来るかといえばそうではない。実は、あの人も頑張っているから私も頑張ろうと思ってみたり、同僚との何気ない会話で息を抜いたり、気分を変えたり、職場での人間関係の中で保たれている事がずいぶんあったんだなぁと改めて思ったりします。その証拠に先週、棕櫚亭のスタッフから電話があったり、メールがあったりすると、何だか嬉しく、いつもよりたくさん話したり、丁寧に返信したり・・・そして「お互い頑張ろうね。」なんて言いながら、自分のモチベーションが上がっていくのを感じました。不思議です。

ここまで書いてきて何が言いたいのかといえば、毎日通う場所があったり、人との繋がりがある事は、やはりとても大切なんだなぁという事です。そんな事、分かり切っていることかもしれません。でも、難しいのは今回のコロナウイルスの問題は、感染防止の観点から「不要不急の外出を避ける」さらには「三密を避ける」など、「人が動くこと」「人が集う事」「人が話す事」をなるべく避けなければいけないところです。今まで私たちが価値を置き大切にしてきたことと、正反対の事が第一とされているところです。

「では、このままでいいのか?」

いえ、やはり「人が集ったり、つながる場」はきっと必要なはずです。そこでこんな事を考えました。今、パソコンやスマートホンの普及により、インターネットなどの通信技術が進んでいます。SNSなどパソコン上での人と人との繋がりや、手軽なところではlineなんていうコミュニケーションアプリもあったりします。実際の場で集う事つながる事が難しいなら、こんなものを使って、集ったりつながったりするのもいいかもしれません。なんてこんな事を書きながら、私は全くのIT音痴。だからいきなり大きな事は出来ませんが、みなさんやスタッフ達に助けてもらいながら、そんな場所を少しづつ作れたらいいなぁ・・・なんて思っています。その時はぜひご協力ください。

先週から始まった在宅ライフ、これはもう少し続きます。「朝の検温」「手洗い・うがい・アルコール消毒」さらには「ソーシャルディスタンス」、こんな言葉がテレビからはひっきりなしに流れます。正直もういい加減あきあきです。だったらこの状況を、棕櫚亭らしく「明るく」乗り越えましょう。「明るく・元気に・美しく」皆さん、この棕櫚亭の合言葉をご存じですよね。大変な今だからこそ、またこの言葉を大切にしましょう。そして何より元気に、みんなで乗り越えていきましょう。

 

 

 

ピアスがNHK・Eテレの取材を受けました!いよいよ放送・4月3日(火)20:00~!!

法人本部 2018/03/31

「就労支援は誰のためにあるのか?」

新体制が本格的にスタートした平成29年度が終わろうとしています。個人的には季節を感じる間もなく、走り抜けた(走り抜けてしまった??)一年間でした。そしていよいよ平成30年度、障害者総合支援法や報酬単価の改正、精神障害者の法定雇用率算入と、様々な変化が待ち受ける激動の一年となりそうです。特に、法定雇用率の算入は、棕櫚亭がこの数十年、力を入れてきた就労支援に大きな影響を与えることが予想されます。

棕櫚亭が通所授産施設ピアス(現:就労移行支援事業所ピアス)を開所したのは、平成9年、今から20年以上も前の事です。「どうすれば当事者の方々の「働きたい」に応えられるのか?」を考え、働く準備の場として、完全通過型のトレーニング施設としてピアスはスタートしました。当時は、精神障害者の就労支援を行っている事業所は皆無に等しく、モデルもない中、試行錯誤を繰り返し、現在のピアスはあります。

さらに、平成18年には「障害者就業・生活支援センターオープナー」を開所させ、「就労準備」だけではなく、「就労定着」にまで支援を広げ「働き続けられる」システムを作り上げていきました。そして、この20年間で400名近い方々が就職されています。

これらの取り組みを通して、私たちが世の中に伝えていきたかった事は、「精神障害者も、丁寧な準備をすれば再発する事なく働く事が出来る。そして、適切な支援があれば、働き続ける事が出来る。」という事です。

確かに今、障害者雇用、とりわけ精神障害者の就労支援には、一見すると追い風が吹いています。都内には就労移行支援事業所がひしめき合い、障害者向けの転職サイトも活況です。そのような状況を受けて、精神障害者の就職者数は上昇の一途を辿ります。

しかし一方で、職場定着率は、就職後3か月時点で69.9%、1年時点で49.3%と、約半数の方々が離職していくというのが現状です。(2017年独立行政法人高齢・障害・求職者雇用機構調査)さらにそれは数年前の調査と変わらず、「病状悪化」は離職理由の上位にあがります。こんな状況を見ながら最近、ふと考える事があります。

「私達はこんな事を目指してきたのだろうか?」・・・・

そこで今回、「精神障害者の就労支援」を問い直す意味も込め、ピアスがNHK・Eテレ(教育テレビジョン)で放送中の「ハートネットTV」の取材を受ける事になりました。そこには、一人のピアス利用者の方のトレーニング風景が映し出される予定です。その映像を通して、棕櫚亭の就労支援が大切にしてきたものが伝わればと思っています。

放送は、

NHK/Eテレ 4月3日(火)『精神障害者と働く 第1回 「働き続けるために」』20:00~

ピアスはその中の一部に登場する予定です。ぜひご覧ください。

規制緩和後、株式会社等の台頭により就労支援は支援ではなく、ビジネスになろうとしています。ですが、こんな時だからもう一度考えたいと思います。「就労支援は誰のためにあるのか?」を、そしてそんな状況に少しでも一石を投じられる、そんな組織であり続けたいと思っています。

(平成29年度最後の日に 理事長 小林由美子)

 

 

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