利用者・メンバーさん・関係者の皆さんへ
既にご承知のことと存じますが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言の期間延長が決定しています。
これに伴いまして、従前から続く緊急事態宣言への法人及び施設の対応も継続することになります。
ご不便ご迷惑をおかけしますことお詫び申し上げます。詳細ご不明の場合は、所属事業所にお気軽にお問い合わせください。
職員一同、今一度対策を確認していきますが、皆様におかれましても健康にはくれぐれもご留意ください。
社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会
利用者・メンバーさん・関係者の皆さんへ
既にご承知のことと存じますが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態宣言の期間延長が決定しています。
これに伴いまして、従前から続く緊急事態宣言への法人及び施設の対応も継続することになります。
ご不便ご迷惑をおかけしますことお詫び申し上げます。詳細ご不明の場合は、所属事業所にお気軽にお問い合わせください。
職員一同、今一度対策を確認していきますが、皆様におかれましても健康にはくれぐれもご留意ください。
社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会
新型コロナウィルスの感染急拡大に伴い、3度目の緊急事態宣言が4月25日から5月11日の期間で東京都にも発出されることになります。今回は、変異ウィルスが猛威をふるっている最中の宣言でもあるので、改めて気を引き締めた対応を法人・事業所全体で取り組みたいと考えています。
三密防止、アルコール消毒、換気などの徹底に加え、オンライン等の活用を改めてすすめてまいりますが、宣言期間中の活動変更の詳細は、HPに掲載します。不明な点は各事業所にお問い合わせくださいますようお願いします。
尚、一部プログラムにおきましては、延期や中止となりますので、メンバーの皆さんにはご協力いただけますよう重ねてよろしくお願いします。
1日でも早く事態が好転して、メンバー・職員とも安心して過ごせるよう法人及び事業所の決定にご協力下さい。よろしくお願いします。
利用者・関係者の皆様におかれましては体調管理等くれぐれもご自愛ください。
社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会
今回はオープナーの職場定着支援を活用しつつ、長く働き続けている廣澤梨菜さん、上司にあたるデロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社の佐藤道彦さんにインタビューを実施しました。
廣澤 梨菜さん (デロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社)
廣澤さん:2014年に入社しました。グループ会社の1つに出向し、総務で働いています。
皆さんが使う備品の補充や環境整備をしています。コロナ対策に関する作業ではソーシャルディスタンスが取れるように椅子の配置替えやパーテーションの準備などもしました。他に突発的な業務や新しく就職する方、退職する方のロッカー整理なども行っています。勤務時間は9:30~17:30、休憩1時間です。
社風としては、企業内ジョブコーチがいて、フレンドリーな職場です。障害者に対して優しくしてくれますし、障害者雇用のメンバーが多くなってきたので周りの方も慣れてきているのかもと思います。
廣澤さん:特別支援学校(高校)を卒業後、特例子会社で7年勤め、清掃を5年やりました。異動になって給与明細チェックなどの事務補助を担当したこともあります。
「あなたの障害は軽いから周りをサポートできるでしょ」と言われることがあって、自分の中では悩むこともあったので軽いと言われても納得できず、他にも人間関係で悩んだことと、ステップアップをしたかったのもあって両親やオープナーの支援者に相談し、転職することにしました。
廣澤さん:社会人生活10年目くらいになりますが、特別支援学校の頃はタイムカードを押すことも知りませんでした。体調を自分でコントロールすること、生活習慣を整えること、社会人としての言葉遣い、ホウレンソウの方法、稼いだお金の中で生活することなど、働きながら社会人としての基本を教わりました。
今の職場では、メールやskypeの使い方を覚えました。文字でのコミュニケーションも多いです。自分の上司ではない人とやり取りをすることもあります。
廣澤さん:特別支援学校の先生の勢い(笑)学生時代から、理解が得られる就職をしようと思っていました。
メリットは、ジョブコーチと支援者がいて、上司と自分の間に立ってくれる人がいることです。全然違うなと感じます。ジョブコーチには自分の気持ちを聞いてもらったり、指示を受けて具体的にどう動いていくかの相談をしています。
デメリットはあまり感じません。今の職場は職場内に障害者雇用の人がいることが当たり前になっています。何かあっても「自分だけじゃないんだ」って思うし、共感してくれる環境です。色々あっても大丈夫。

廣澤さん:1番は「やさしさ」。仕事では色々な人と接点がありますが、自分の伝え方がぶっきらぼうになってしまったら、あとで後悔するかもしれない。あんなこと言わなきゃよかったと後悔しないようにコミュニケーションをするようにしています。
あとは「趣味」を大切にしています。
趣味のために頑張れる、働いてないとCDも買えない、コンサートにも行けない、どこにも行けなくなってしまうから頑張ろう!と思っています。
長く働く為にも体力的にも気持ち的にも、良く寝て、次の日に備えています。何か新しいことが急に来ると「聞いてない!」と余裕がなくなってしまうし、私は「準備しておくといいタイプ」だとわかりました。
廣澤さん:上司から指示がきた時に理解し辛い時、どう動いたらいいかイメージし辛い時に一緒に考えてもらっています。
苦手な仕事でもふられることはあります。重い荷物持たされたり(笑)
難しい仕事が来た時には、ジョブコーチと相談してモチベーションを上げて取り組むこともあります。
以前は仕事の指示があいまいだったり、難しかったこともありました。今はジョブコーチにいったん相談して、取り組み方を考えるようにしています。疲れている時は、休みの取り方を相談することもあります。
廣澤さん:仕事でモヤモヤしちゃった時は、職場のジョブコーチにすぐ言うようにしています。それでもダメな時は支援機関にも言って、片方だけじゃなく両方に言って把握してもらうようにしています。
ジョブコーチにも親にも言えない、友達にも言えない!という相談事が時々あります。そういう話はオープナーの支援者に話しています。家族に言ってもな・・・と思うこともあるので。
廣澤さん:周りに障害者の方がいなくて、自分だけが障害者って思っている人も多いと思います。つらいこともあるとは思いますが、「自分はどうせ出来ない」と思うのではなく、相手の気持ちも考えて動いていこうよと思います。「自分自分」じゃいけないし、自分にも周りにも優しさを持ってほしいなと思います。
就職する前に「自分の生活リズム」と「体調を整える方法」を知っておくといいと思います。例えば、夜更かしすると次の日辛いな、睡眠何時間はないとだめだな、みたいな。
あと自分の限界。遊びたくても、金曜日と土曜日はいいけど、日曜日はダメとか、具体的にわかっているといいと思います。
佐藤さん(デロイト トーマツ コーポレート ソリューション合同会社)
佐藤さん:非常に明るい方で、お洒落さんですね!
仕事に対して“嫌と言わない方”です。自ら率先してチャレンジして下さって、本当に助かっています。最近入社した後輩にとっては“廣澤さんみたいにやればいいんだな”と身近なロールモデルにもなってくれています。挨拶もとても良いですね。気持ちよく挨拶してくれます。
佐藤さん:上司は仕事をお願いする時には「今よりももう一歩先の、この仕事まで任せてみよう」と采配しています。現場にはジョブコーチ・指導員がいて、上司からの指示をそれぞれに合わせて伝えてくれたり、相談にのっています。私の方は無茶振り係ですね(笑)廣澤さん達が「やります!」と言ってくれるので。
佐藤さん:デロイト トーマツ グループ全体では約14500人の社員がいますが、そのうち220人程度が障害者雇用の方です。半分以上は特例子会社の「トーマツ チャレンジド」の所属で、残りは廣澤さんのように各法人で独自採用している方です。
私が心がけていることは「機会と情報を平等にすること」です。変に腫れ物に触るようなことはしません。彼らにも成長の機会を作り、新しいことにチャレンジをしてもらいたい。成長している実感が定着につながるといいと考えています。
佐藤さん:指導員は就業中でのサポートを担っていますが、就労支援機関には生活面でのサポートをお願いしたいです。不調になる理由は仕事と生活、両方にまたがっていることが多い様に感じます。支援機関からも職場の方へ連絡を頂きながら、”夫婦の様に“連携しながら一緒に考えていきたいです。
佐藤さん:雇用しているのは「あくまで仕事して頂く為」。「障害を持っているからこれくらいでいいよね」ということではなく、戦力の一人として入ってきて頂きたい。
あと大切なことは安定して働けること。「ちゃんと働ける体調になってから来てください」と伝えたいです。出社してから「体調が悪いので帰らせて頂きます」というようなことはあると思います。ですが、続くようだと重要な仕事をお任せすることが出来ません。そういった準備を経て、多様なスキルや経験をもった方がいるといいなと考えています。
ジョブコーチの吉野さん(左)と廣澤さん
先日お伝えしましたように、社会福祉法人多摩棕櫚亭協会が「令和2年度 東京都女性活躍推進大賞」を受賞いたしました。
受賞におきましては、贈呈式が2月に都庁で行なわれる予定でしたが、残念ながら今年度は緊急事態宣言で中止となっています。
ただ、引き続きメディアに取り上げられる予定になっていますので、2点お知らせいたします。
●日本経済新聞 3月20日号(東京地区版・東京都広告)
●テレビ朝日「東京サイト」3月23日(火)13時45分~13時49分放送(関東地区にて放送)
尚、放送後、番組HP(https://www.tv-asahi.co.jp/t-site/)で動画を約6カ月配信されるようですので、お見逃しになった方はそちらをチェックしてください。
多摩棕櫚亭協会 法人本部
棕櫚亭賛助会通信「はれのちくもり」第131号(2021年3月号)を発行しました。
この度は新型コロナウイルスによる影響もあり通信の発行が遅れ、皆様へご迷惑・ご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
年度末となりますが、ようやくお届けできる運びとなりました。
今回の内容は
です。是非ご一読くださいませ。
また、賛助会へのご入会や通信のお受け取りをご希望される方につきましては、こちらのページ(→賛助会へのご入会)をご覧ください。
なお、お手元に届いていない会員の方や、住所変更等希望される方がいらっしゃいましたら、お手数ですが棕櫚亭までご連絡くださいますと幸いです。
2021年、皆さんに新年のご挨拶をしないまま2ヶ月が過ぎてしまいました。
何もかもがコロナウィルスに埋め尽くされた2020年。今までなら春には春の色、夏に夏の、秋に秋、冬には冬と、四季がなくなった昨今ですが、それでも季節の色がありました。しかし昨年は同じ色がずーっと続き、暗い景色の中に閉じ込められている様な毎日でした。そして再びの緊急事態宣言の発出…「状況はまだまだ暗いトンネルの中なのだ」と暗澹たる気持ちになります.
一昨年中国武漢から始まったこのウイルスは、人の命、繋がり、時間、財産、職業とたくさんの大切なものを奪っていきました。「コロナが憎い」そんな言葉もよく耳にします。この間の事を考えれば、それは至極まっとうな感情なのだと思います。でも一方で、「コロナウイルスだけが悪いのか?」とも考えます。
「危機は本質をあぶり出す」
この頃こんな言葉がよく思い浮かべます。地球温暖化の問題は言うまでもなく、政治の腐敗や経済の行き詰まり、さらには非正規雇用、DVや貧困の問題などなど、今盛んに騒がれている事はコロナ以前からあったもの、それがこのウィルスによって、より鮮明に炙り出されただけなのかもしれません。そして、見て見ぬ振りをしてきた不都合な事実達が勢いを増して噴き出す中、何をすればいいのか途方にもくれます。
しかしこんな状況だからこそ、社会福祉法人として棕櫚亭も何ができるのかを考えていきたいと思っています。その取り組みの一環として、一旦棚上げにしていたビジョンプロジェクトを昨年の夏に再スタートとさせました。感染防止を第一に活動を進めてきた2020年でしたが、感染防止の目的がただ感染防止で留まるのはもったいない事、そこにかけたエネルギーをその何か先につながるものにしたいと考えての事です。その再開にあたっては、「私にとってコロナとは?」「棕櫚亭にとってコロナとは?」「地域や社会にとってコロナとは?」と、様々な切り口からこのコロナウイルスが自分に社会にどんな影響をもたらしたのかを、職員全体で議論しました。感じた思いや感触を言葉にする事は思った以上に難しくもありましたが、みんなの思いを共有した時間は、とてもいいものでした。今後は、来年度一年間をかけてビジョンという形につなげていきたいと思っています。
さらに嬉しいお知らせもあります。すでにHPでもお知らせしましたが、棕櫚亭が東京都から「東京都女性活躍推進大賞」を受賞しました。森元首相の「女性蔑視問題」が騒がれる中、その重みを一層感じる受賞です。いち早く女性活躍の場を女性自らが作り出したのが棕櫚亭です。その創設世代から育み続けた土壌に、見事な花が咲いたような嬉しい気持ちになりました。
今の社会は確かに暗く閉塞感に満ちているかもしれません。でもそんな時にでも、どこかに窓はあるはず、そして今、この社会に必要な作業はその窓を探し、開け放していく事だと思います。一つでも多くの窓を探し、風通しを良くしていく… そんな解放感にあふれる場をまた棕櫚亭が育んでいけたら、こんなに素晴らしい事はありません。そこを目指し、今年もメンバー・職員と共に頑張っていきたいと思います。 (理事長 小林 由美子)
社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会が「第7回東京都女性活躍推進大賞 大賞(医療・福祉分野)」を受賞しました。
東京都女性活躍推進大賞…「東京都では、全ての女性が意欲と能力に応じて、多様な生き方が選択できる社会の実現に向けて、女性の活躍推進に取り組む企業や団体及び個人に「東京都女性活躍推進大賞」を贈呈しています。」(東京都HPより)
以上が、大賞の概要になりますが、受賞には、女性・男性、年齢、障がい等の有無に関係なく、多様な個人が状況に応じて活躍できる多摩棕櫚亭協会の組織文化が評価されたと考えています。
これは、協会の前身の「くにたち共同作業所棕櫚亭」を立ち上げた4人の女性が口にしてきた「生活者視点の大切さ」が支援に限らず、組織経営にも継承され、安心して働き続けられる風土の醸成につながったものではないかと深く感じいるところです。
緊急事態宣言下であり、気をひきしめなければいけない状況で手放しに喜ぶことはできないのですが、皆様にお伝えしたく記事にいたしました。期間延長など予断を許さない状況でもあり、変更があるかもしれませんが、現時点で2月の授賞式の後に3月のテレビ放映が予定されています。後日、授賞式の模様はYouTubeでも視聴できるようですが、詳細が分かり次第改めて報告させていただきます。
最後に法人の活動を日頃暖かく見守っていただいている利用者・ご家族・関係機関・役員の皆様、そして団体設立にご尽力いただいた皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
東京都プレスリリースは、こちら
社会福祉法人多摩棕櫚亭協会 理事長 小林由美子
皆さんに「お知らせ」を書くのは、前回の緊急事態宣言以来となります。昨年は何もかもがコロナウイルス一色に埋め尽くされた年、「2021年こそは明るい光が射す年に・・・・」と新年のご挨拶を書こうとした矢先の緊急事態宣言の発出です。現時点では11都道府県に留まっていますが、全国の感染者数は増加の一途、ともすれば宣言は全国に及ぶかもしれません。
「まだ状況は暗いトンネルの中なのだ・・・」と痛感せずにはいられません。この状況を受け多摩棕櫚亭協会でも、宣言期間の2月7日までの法人方針を出しましたので、各事業所の対応をお知らせいたします。
【就労系事業(サービス)】
就労移行支援事業 生活訓練事業 ピアス
障害者就業・生活支援センター オープナー
【生活系事業(サービス)】
相談支援事業所 地域生活支援センターⅠ型 なびぃ
地域活動支援センターⅡ型 棕櫚亭Ⅰ
各事業所の対応は以上となります。
前回の緊急事態宣言の時には、メンバーの皆さん、職員、そしてそのご家族の命と安全を第一と考えて、各事業所ともあえてサービス縮小や休止を決定いたしました。しかし、ここまで長引く状況の中、社会福祉法人としての役割を考え、今回は基本全事業所とも開所することといたしました。
しかし、メンバーの皆さんに自粛という我慢を強いなければならない事は続きます。また、感染防止のため、体温や体調の把握など、事業所が「管理」しなければならない事も増えていきます。本来は「管理」の象徴である病院に風穴を開けるため、「自由」であろうと活動開始した棕櫚亭です。職員も「今の時期は仕様がない」と言い聞かせてはいますが、やはり本意ではありません。さらに、飛沫感染防止の徹底から、どの事業所もメンバーへの食事サービスの休止や縮小いたしました。「食」、これは棕櫚亭が1987年の活動開始から大切にしてきたものです。ここで育まれる関係や絆がある事を知っている私達だけに、本当に胸が痛いです。
でもやはりここはメンバーの皆さんに助けていただきながら、職員一丸となって乗り越えていきたいと思っています。そして、棕櫚亭が大切にしてきた「自由」や「食」、これらが取り戻せる・・・・いえ、それは新しい形になるのかもしれません。それを、地域に届ける事が出来る日を願わずにはいらfれません。
理事長 小林由美子
多摩棕櫚亭協会 利用者・メンバーさん、ご家族の皆様、関係者の皆様
新年明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。昨年は新型コロナウィルス感染拡大という大変な一年になり、多くの方がつらい思いをされたと思います。
まだまだ、終息に向け先が見えない状況ではありますが、理事者・職員一同、皆様の幸せや地域精神福祉の向上の実現に向け頑張っていきたいと考えていますので、引き続きお力添えいただけますよう、よろしくお願いいたします。
今年一年が皆様にとって良い年となりますように。
2021年(令和3年)1月1日
社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会
理事長 小林 由美子
職員一同
障がい者と健常者、生活のしづらさ、その他雑感。
ピアスタッフ 櫻井 博
新型コロナウイルスは、ゲノム解析によってその正体が明らかになりましたが、まだまだワクチンや治療薬がありません。したがって、感染者数はピークに比べると落ち着いてきましたが、完全な収束に目途がつかず、感染予防の観点から私たちの行動は制限されています。このような状況では残念ながらどこに行っても楽しめません。蜜を避けるという観点から、私自身も人ごみには近づかず、行かないようにしています。
いつまでこの状態が続くか、出口は見えないし、収束したとしてこの先どのような社会になるか、ほとんどの人がわかりません。
さて、先日職場で上司と話をしていて、「今のこのコロナ禍の生活のしづらさって健常者(この場合精神疾患にかかったことがない人)も同じだし、『障がい者のもつ生活のしづらさ』っていう視点にたつと、私たち健常者も障がい者の気持ちや状況が解かるってことにつながるのかな?」という意見をいただきました。
私は少し考えてからこう答えました。「今のコロナパンデミックというのは世界的な流行であって、それは人類の多く、つまりマジョリティ(大多数の健常者))が、生活のしづらさを感じていると思います。でも一方、精神に疾患のある人、精神障がい者は社会の中でマイノリティ(少数派)な存在です。
ここが大きな違いで、肝の部分だと思います。私たちはコロナ禍での移動や行動の制限だけではなく、この状況でマジョリティ(健常者)が感じえない感覚、逆に言えば障がい当事者特有の感覚(薬の服用で副作用がでたり)を背負っているので、病気特有な孤独感、孤立感、絶望感などの気持ちを比較しても、健常者には障がい当事者の生活のしづらさ、つまりこのコロナ禍に於いてのみ、障がいの本質は理解できないのではないでしょうか?」と伝えました。
コロナ禍のストレス
当事者が日常かかえるストレスは、コロナ禍でより強いストレスにつながります。季節感を感じない感覚、イベントの自粛、外食、外出の自粛は時を止めてしまうように迫りくるものがあります。私自身コロナパンデミックが起こった2月ぐらいからあっというまに半年以上過ぎ去っていったという感覚です。なるべく一日一日を自分自身に印象づけようとしていますが、残念ながら、日々がただ過ぎ去っていくことに呆然としているのが現実です。この時事伴奏を書けなかったのも、このような思いのなかで外に向かって「発信」できなかったという現実がありました。
私のコロナ禍の乗り切り方として
このコロナ禍において「巣ごもり」という言葉がでてきました。それに伴い多くの人が家にいる時間が増えました。家にいるということはいわば自由な時間が増えたことになるのでしょうが、もともと障がい者は時間という宝物を、ふんだんに与えられているのだと私は思っています。そのふんだんな時間を使う、つまり過ごし方を考えるということにおいて、障がい者ははやくから取り組んでいるように思います。
私自身今回のコロナの状況で(安全で簡単な)運動を生活の中に取り入れました。汗を流すことを純粋に楽しみました。こんな爽快感はここ何十年かぶりで体験しました。汗を流すなら、個人的には種目はなんでもいいかと思います。仕事で汗をかくのとも違う状態です。
もし、読書や音楽を聴くことができなければ、散歩にでて体を動かすのもいいかと思います、一人で家をでて歩くことは推奨されていますから。巣ごもりでエネルギーがたまったら、今回コロナ禍でみつけた、時間の過ごし方について情報交換し、取り入れることができるものは、自分でやってみようなんて、少し前向きに考えました。
当事者の今後、社会の今後
そして、そんな語らいや情報交換は、流行りのビデオ会議、例えばZOOM(ズーム)とかでやるのもいいのかもしれませんね。わからなければ周りに聞いてみてください。いろんな人が教えてくれ、そのことから人とのつながり直しになるのではないでしょうか?
ソーシャルディスタンス(社会的距離)という言葉は一時期皆が口にしていましたが、医師で作家の鎌田實氏は「フィジカルディスタンシング」「ソーシャルコネクティング」(物理的に距離を取り、社会的につながること)がこれからの社会に必要なのではないかと書いていたのを読みました。
私もその考え方には共感しました。
「離れてつながる」ことの大切さを教えてくれ、当事者スタッフである私が今できることは何かないだろうかと、このところ考え続けています。
多摩棕櫚亭協会は、利用者支援を軸に地域の創造や人材育成など精神保健の包括的な底上げを図りたいと考え、「発信し 提言し推進する。」という理念のもと日々活動しています。
多摩棕櫚亭協会は多くの研修会を主催、後援、協力しています。「働く当事者からのメッセージ」「障害者の職場定着をめざして」「発達障害をもつ方へのCESプログラム」など、最新情報を掲載しています。
過去の取材・メディア掲載/講演・講師情報を掲載しています。多摩棕櫚亭協会では、各種プレス、メディア、マスコミ関係の取材、および各種講演、講師のご依頼やお問い合わせを受け付けています。
ピアスは障害者総合支援法に基づく「就労移行支援事業」の提供施設です。精神障害の方(発達障害を含む)の一般就労に向けた働く力を身につけるために、準備訓練をオーダーメイドで提供しています。
障害当事者や PSW として働く職員向けの「精神保健」関連書籍を紹介します。実務に役立つだけではなく、「精神保健」に関する深い知見を得ることができる〈おすすめの書籍〉です。
ピアスのトレーニングを経て就職をされた方は、開所以来 170名以上にものぼります。 ピアスの卒業生は、どのようにピアスを利用し、それが今の仕事にどう生かされているのでしょうか?
特集/連載『往復書簡』精神障がい当事者と健常者職員が共に「境界線」を探る心の書簡のやりとり。ピア(当事者)の時代だからこそ自分達のありようを見直したい。全16回
特集/連載『ある風景』職員の心に刻まれたあの作業所の風景。時代や仕組みは変わっても、あの頃の思いや文化は今もきちんと棕櫚亭に息づいているだろうか? 全13回
新刊書『精神障害のある人の就労定着支援 – 当事者の希望からうまれた技法』天野聖子 著/多摩棕櫚亭協会 編著(中央法規出版) の紹介ページ。2019年5月28日発売
私は『精神障害のある人の就労定着支援』をこう読んだ。地域・医療など精神保健の分野で活躍される方々にこの本を読んだ〈感想〉や〈想い〉を大いに語っていただきます。