『わたしと統合失調症 〜26人の当事者が語る発症のトリガー〜』
佐竹直子 編著/リカバリーを生きる人々 著

『わたしと統合失調症 〜26人の当事者が語る発症のトリガー〜』
佐竹直子 編著/リカバリーを生きる人々 著
当事者の言葉から見えてくる統合失調症の世界
ケースワークで一番大切な事は、当事者の心に寄り添い、その人の世界を共有することだと思います。ワーカーが、自らの言葉や感情を使いながら、「この人から見たらこれはどの様に映るのだろうか?」「この人はこれをどう感じているんだろうか?」と、その人の内側からものを見ようとする姿勢は、何よりも必要な事だと思っています。この『わたしと統合失調症 〜26人の当事者が語る発症のトリガー〜』は、そんな当事者の世界を教えてくれる素敵な本です。26人の方が、文章や詩、マンガなどを使って、発病から現在に至るまでの自分のストーリーを語ります。「妄想」「幻聴」「思考伝播」などは、統合失調症の症状を表す言葉として、私達が何気なく使ってしまう言葉です。しかし、実際体験した人達が内側から語れば、それは正に嵐の中、病気の力の凄まじさが伝わってきます。また、病気がよくなったと思い、薬をやめて、再発した時の無念さを知ると、「怠薬」などという言葉を、軽々しく使うことがためらわれます。この本はそんな病気の手強さと、それと付き合っていく事の大変さを教えてくれます。
また興味深いのは、統合失調症発病のきっかけになる出来事を「トリガー(引き金)」と表現し、そこに焦点を当てながら、26人の方々が体験を語っていることです。トリガーにも「過労」「環境の変化」「いじめ」「家庭環境」など様々なものがあります。本来、発病したきっかけなど、自分の中にそっとしまっておきたい出来事だと思いますが、あえてそれを語っているのが、この本の素晴らしいところです。そして、それぞれのトリガーと向き合いながら、病気を見つめ直し「リカバリー」につなげていく歩みは、読む者に大きな感動を与えます。
「書いてくれてありがとう。」そんな言葉を、26人全ての方々に伝えたくなる一冊です。精神科医の佐竹直子先生による病気の解説も、とても具体的で分りやすく書かれています。中央法規出版『わたしと統合失調症 ~26人の当事者が語る発症のトリガー~』、精神保健分野で働いている方はもちろん、これから働きたいと思われている方にも、ぜひご一読いただきたいです。
社会福祉法人多摩棕櫚亭協会
理事長 小林由美子
『わたしと統合失調症 〜26人の当事者が語る発症のトリガー〜』
佐竹直子 編著 / リカバリーを生きる人々 著
中央法規出版
http://www.chuohoki.co.jp/products/medical/5443/
“引き金” から見えてくる統合失調症の世界
原因不明とされる統合失調症の発症事例を、26人の当事者の言葉で紹介。
過労やいじめ、家族関係等、発症のきっかけを5つに分類し、発症との関係を医学的解説とあわせて検証する。
病気のルーツからリカバリーまで、克明に綴られる手記が既存の支援と予防に新境地を開く。
(中央法規出版 ウェブサイトから抜粋)








