2021年、皆さんに新年のご挨拶をしないまま2ヶ月が過ぎてしまいました。
何もかもがコロナウィルスに埋め尽くされた2020年。今までなら春には春の色、夏に夏の、秋に秋、冬には冬と、四季がなくなった昨今ですが、それでも季節の色がありました。しかし昨年は同じ色がずーっと続き、暗い景色の中に閉じ込められている様な毎日でした。そして再びの緊急事態宣言の発出…「状況はまだまだ暗いトンネルの中なのだ」と暗澹たる気持ちになります.
一昨年中国武漢から始まったこのウイルスは、人の命、繋がり、時間、財産、職業とたくさんの大切なものを奪っていきました。「コロナが憎い」そんな言葉もよく耳にします。この間の事を考えれば、それは至極まっとうな感情なのだと思います。でも一方で、「コロナウイルスだけが悪いのか?」とも考えます。
「危機は本質をあぶり出す」
この頃こんな言葉がよく思い浮かべます。地球温暖化の問題は言うまでもなく、政治の腐敗や経済の行き詰まり、さらには非正規雇用、DVや貧困の問題などなど、今盛んに騒がれている事はコロナ以前からあったもの、それがこのウィルスによって、より鮮明に炙り出されただけなのかもしれません。そして、見て見ぬ振りをしてきた不都合な事実達が勢いを増して噴き出す中、何をすればいいのか途方にもくれます。
しかしこんな状況だからこそ、社会福祉法人として棕櫚亭も何ができるのかを考えていきたいと思っています。その取り組みの一環として、一旦棚上げにしていたビジョンプロジェクトを昨年の夏に再スタートとさせました。感染防止を第一に活動を進めてきた2020年でしたが、感染防止の目的がただ感染防止で留まるのはもったいない事、そこにかけたエネルギーをその何か先につながるものにしたいと考えての事です。その再開にあたっては、「私にとってコロナとは?」「棕櫚亭にとってコロナとは?」「地域や社会にとってコロナとは?」と、様々な切り口からこのコロナウイルスが自分に社会にどんな影響をもたらしたのかを、職員全体で議論しました。感じた思いや感触を言葉にする事は思った以上に難しくもありましたが、みんなの思いを共有した時間は、とてもいいものでした。今後は、来年度一年間をかけてビジョンという形につなげていきたいと思っています。
さらに嬉しいお知らせもあります。すでにHPでもお知らせしましたが、棕櫚亭が東京都から「東京都女性活躍推進大賞」を受賞しました。森元首相の「女性蔑視問題」が騒がれる中、その重みを一層感じる受賞です。いち早く女性活躍の場を女性自らが作り出したのが棕櫚亭です。その創設世代から育み続けた土壌に、見事な花が咲いたような嬉しい気持ちになりました。
今の社会は確かに暗く閉塞感に満ちているかもしれません。でもそんな時にでも、どこかに窓はあるはず、そして今、この社会に必要な作業はその窓を探し、開け放していく事だと思います。一つでも多くの窓を探し、風通しを良くしていく… そんな解放感にあふれる場をまた棕櫚亭が育んでいけたら、こんなに素晴らしい事はありません。そこを目指し、今年もメンバー・職員と共に頑張っていきたいと思います。 (理事長 小林 由美子)
た。本店では11組・150点のパネルで構成された。全長200メートルを超える連作の完成版をみることができる。(中略)20世紀の戦争が人類にもたらしたものとは何か。という問いに戦前・戦後の世代が向き合って誕生した「地球・爆」プロジェクト。その約18年を経て完成した「反・戦争・絵画」を体験してほしい。
さにバトンは受け継がれたのだと感じました。「就労支援」だからって別の道に行ったわけではない、希望の道につながっている。そして、古きあの精神病院で傷つき、希望を失ない亡くなっていった彼らの思いや大きな歴史をこの時代で多くの人達が受け継いでくれたという事実。今ここでつながった道が目の前に現れたような気がしました。
件を取り上げたと思われるこの作品は、容疑者の犯行の理由が精神の病というより、自分の間違った思想、単純な思考回路によると筆者に提示され、私は深く共感しました。テレビや新聞のマスを対象にしている報道は時に大衆を迎合させるポピュリズムに繋がっていきます。このような報道がなされた時でも、われわれは恐れることなく堂々と自分の生き方を続ければよいのではないかと私は思います。









