多摩就労支援ネットワーク連絡会議報告

オープナー 2019/06/24

2019年6月6日(木)に毎年行っている多摩就労支援ネットワーク会議を開催しました。

1部に就業・生活支援センターオープナーの本体業務の報告と3つの受託事業(精神障害者就労定着支援連絡会、医療機関・就労支援機関連携モデル事業、中小企業応援連携事業)の説明を行いました。

2部の基調講演では、「依存症・摂食障害の理解」~就労支援の手掛かりを探る~をテーマに医療法人社団 碧水会 長谷川病院 デイケア科 科長 佐々木真一氏に講演していただきました。

まずテーマの理由ですが、最近オープナーに相談に来る方は様々な問題を抱えていて対応が2、3者必要になったり、病気の複雑化など相談内容が多岐にわたってきており、より新しい情報と知識をもって支援する必要があると感じていました。そこで、デイケアで実践者である佐々木氏から情報や知識など、ポイントとなるお話しを聞きたく今回のテーマとなりました。

依存症はアルコールや薬物、ギャンブルだけでなくゲーム障害や万引き(病的窃盗症)、ハラスメントなどもあり時代と共に幅が広がっていて、医療分野でも非精神病の方に注目されているという状況を知りました。私はアルコール依存の方の支援経験がない為、最近新しい薬が出たことを知りませんでしたが、アルコールを断つのではなく減らすという新たな治療薬の登場を知りました。同時にハームリダクション(害薬を減らす)という治療観に変わってきたという話が興味深く、聞き入りました。

摂食障害については社会的文化背景として、痩せていることを尊ぶ価値観(美の意識 自己管理・節制の証など)など心理社会的ストレスと対処困難な状況が引き金になる。治療も「体重の回復」が前提であり、薬物療法は存在せず、後遺症もある話しを聞き摂食障害の難しさを改めて認識しました。スポーツ選手が記録や勝つためにストイックにトレーニングの体形改善で摂食障害になったという話しを思い出しました。

■依存者の特徴として、“シラフでの生きづらさを抱えている”ということ

「自己評価が低く」「自分を大切に出来ない」「孤独」「見捨てられ不安が強い」など

支援のポイントは

「支援する時はコントロールしない」「ルールを守らせることにとらわれすぎない」

「長い目で回復を見守る」「明るく安心出来る場の提供」「自立を促す関わり」など

■摂食障害のある方の傾向は、“期待を裏切れない生真面目なタイプの人が多い”

「疲労の覚知が難しい」

支援のポイントは、生活リズムが乱れやすいので「きめ細かな体調確認」を行う。

さらに依存症と摂食障害の背景にあるのはトラウマ体験であり、その関わりや配慮、フラッシュバック時の対応などのお話もして頂きました。

講演を聞き、これまでの知っていた依存症の知識や情報は古く、初めて聞く言葉や従来の治療では考えられないような新たな治療観など、驚きと共に知る事が出来ました。

無理に辞めさせたり、こじ開けたり、聞いたりせず無理のない環境を整えていき、医療との継続的な連携と正しい理解・知識とともに支援する姿勢が必要だと感じました。また実際、非精神病の方が働くとなった時に治療しながら定着に向けて周囲の理解や環境をどうすればいいのか考えなければいけないと感じました。

短時間ではありましたがとても内容の濃い講演をして頂き興奮して聞きました。今後も支援の質を高めていくために情報をキャッチしていこうと感じた講演でした。

 

*ハームリダクション:治療関係を維持・継続しながら関連する悪影響を少しでも軽減させる新たな治療、

 

吉岡  誠

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