【連載】時事伴奏⑤~ニュースと共に考える(新年号)

法人本部 2019/01/10

新年明けましておめでとうございます。

今年は4月に新元号が発表され、新しい元号が5月から採用されるようです。私などは昭和・平成に加えて新しい元号までの3つの時代を生きることになるわけですから、自分が明治生まれの人達に抱いた感慨のようなもの、まぁ例えば「なんてこの人達は長生きなんだ」などという感情を、私に対して若い人達からはももたれるのかもしれませんね。

さて、昨年末に「ある風景」対談を行ないましたが、皆さんにも読んでいただけたでしょうか?対談の後半で「棕櫚亭でも引き続き、人材育成の必要性があり、課題である」と小林理事長が話されていましたが、この言葉が心に少し引っかかったまま正月休みに突入しました。

正月のテレビ番組は、紅白やお笑いなどが目白押しですが、先ほどのような考えが頭にあったものですから、ついつい人材育成にまつわるあるimages番組を観ましたので少し紹介したいと思います。

それは、「ひとモノガタリ」というNHKの番組で何日間か連続で様々な人を取り上げる番組です。一日目は「左官業」という人の定着率が極めて低い業種の会社で、「どうしたらこの会社で長く働いてもらえるか?」という取り組みを始めたという話でした。この会社では新人に一対一でつき、指導するということでした。いつも会社に遅刻して、将来に展望も描けないようなある若者が、お客さんの褒められた言葉を機に変わっていき、いずれかは一人で現場を任されるようになるという展望がみえてきてすばらしいと感じました。話しの要点は、この言わば「会社の問題児」をどのように育成するかという積極的人材作りにあり、その苦悩がよく描かれていることです。左官の親方が、若い人を手にもてあましながらも不器用に愛情を注ぐ姿に感動しました。

「ひとモノガタリ」の二日目は、卓球の平野未宇選手を育てた母親の話です。彼女の開いている卓球教室で、試合の時にみんなが一致団結して応援しなかったことに腹を立てて、子供達を怒ってしまったエピソードを取り上げていました。平野選手の母は、その後よくよく考えて、団結して応援しない状況をつくっていたのは自分で、その自分に対するふがいなさに実は腹を立てていたのだと気がつき、反省していたのが印象に残りました。

この二日間の番組では、人を育てる難しさや工夫が語られていましたが、少子化の中で人材育成にきちんと取り組まなければ、結局どこの業界もやがて先細りしていく危機感のようなものを私は感じました。

そんな中、私自身が一番興味を持ったのは、怒らない指導、共感の指導を学ぶことができたことです。

アドラーという心理学者の言う、その人の目で物事をみて感じて寄り添い、共感するという思想がそこに流れていることも感じました。アドラーは著書「嫌われる勇気」で有名になりましたが、続編「幸せになる勇気」ではこの共感することの大切さが書かれています。人に思いを寄せるときに、自分の目ではなく、その人の目から見える風景や心情を大切にすることは、小林理事長のおっしゃった、棕櫚亭の大切にしているパートナーシップを理解する上で必要不可欠かとも思いました。

つらつらと筆を走らせましたが、昨年末に小林理事長と語った「人材育成」について、年末年始のテレビ番組から考えてみました。

ところで、冬休み期間に、仕事のことを考える私ってやっぱり、昭和生まれの古いタイプの仕事人間なのでしょうか(笑)

新年の挨拶方々、文章を書き綴ってみましたが、時事伴奏を今年もよろしくお願いします。

ピアスタッフ 櫻井 博

【連載】時事伴奏④~ニュースと共に考える

そのほか 2018/12/21

平成最後の年は、多くの天災が起きました。6月は西日本を襲った豪雨、9月6日には北海道でM6.7の北海道胆振東部地震といずれも大規模なものでした。

先日棕櫚亭では施設ごとに防災訓練を行ないました。その中で、スタッフから「家族でどこに集まるか事前に決めておきましょう」というアドバイスがでました。確かに家族皆ばらばらでは安否の確認がしようがないと思いました。私も就業後、自宅近隣の集合場所を確認しましたが、公園やら中学や小学校など避難場所に指定されそうな場所が等距離にあり、「いったい避難場所はどこだろうか?」と、改めて私も家族も知らず、確認していなかったことに愕然としました。

「震災(災害)は忘れた頃にやってくる」と、よく母に言われましたが、現在では震災は、次々に起こり日常生活ととなり合わせという意識を多くの人がもっていると思います。本当に次々と日本各地で起こりうるので、全く他人事とは思えません。

最近私は阪神淡路大震災の真実を検証した「震度7(NHK出版)」という本を読みました。阪神淡路大震災は都市型大地震と言われ、私たちの住む東京という街に大地震が発生した場合、私たちがどう乗り超えるかのヒントになると考えたからです。この本の内容に触れながら、私の考えを少しお伝えしたいと考えています。

尚、震災に対する棕櫚亭の取り組みを本部の災害担当で主任北村さんより伺いましたので、併せて最後に紹介したいと思います。

5036人の犠牲者がでた※1「死体検案書」のリストを調べるといろいろなことが見えてくる。犠牲者が集中するのは全壊した家屋。家屋の下敷きになるなどして、およそ4000人が亡くなっていた。多くは瞬間的な死を意味する「圧死」ではなく、「窒息死」だった。

※1「死体検案書」とは人が亡くなった時、法律で作成が義務づけられている文書で、医師が遺体の状態を直接調べ死因や亡くなった場所、死亡時刻などを詳細に記入した文書。窒息の原因は胸や腹の上に、重量物、例えば柱や梁などが載り、横隔膜や肺の動きが止められ呼吸ができなくなる。「当たり所」次第で生死の運命が決まる耐震補充など、事前の備えが何より大切。

(中略)

地震による窒息死の悲劇を防ぐ確実な方法はある。「建物の耐震化」だ。東日本大震災にもあったが、※2通電火災も死因の大きな原因になる。

※2「通電火災」とは電気の復旧とともに電気製品から出火する現象のこと。

この本を読む以前になるのですが、私の自宅も半世紀近く住んでいるので、耐震工事を行ないました。この工事を行う前に行った診断では「この家は震度7では倒壊のおそれがある」と言われました。周りにある住宅は新築で鉄筋ですが、私の家は木造でしたので、基礎の部分からやることになりました。

工事の途中見学に行きましたが、すじかいを入れる為に壊した家屋をみると、いろいろ困ったこともわかりました。例えば柱がないため、中央がゆがんでいるとかです。

木と木の間に留め具をいれたり、コンクリートを流し込む大掛かりな工事になりました。今年の末には終了する予定です。

再び、「震度7」の一部を紹介させていただきます。

日頃の「暮らし方」や「住まい方」に気を配ることも欠かせない。(徳島大学)西村明儒教授は次への備えを確実にしていくことが、生き残った者の責務だ。

防災という意識を強くもった今年一年でした。過去を振り返って、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震などに代表される大震災を経てきたわれわれに今できることは震災に「備える」ということであり、教訓から学んだ者の責務だと考えました。

皆さんも暮れに向け、今一度災害に対する備え(例えば避難場所や備品等)を確認してみてはいかがでしょうか。

さて最後に、法人本部主任北村さんからいただいたメッセージを読んでみてください。

今年の5月に国立市防災安全課の方からお誘いをいただき、震災後の帰宅困難を想定した宿泊訓練に参加してきました。炊き出しや救援物資の準備、段ボールを使ったパーソナルスペースの確保などを行い、実際に小学校の体育館で一晩泊りました。消防署の方も来ていて印象的だったお話しは「倒壊の恐れがない場合、地震で家具が散乱していても自宅で過ごせるようでしたら、自宅で過ごすことをおすすめする」と、言われたことです。

その理由は避難所の生活が長くなればなるほど疲労やストレスがたまるからです。避難所のほうが安心できるように思いますが、普段自分が目にしている見慣れたものに囲まれている環境のほうが安心感をえられるということでした。

家庭では少なくてもライフライン復旧まで自宅で過ごすことができるぐらい、最低限のできる準備をしておくことが大切だと感じました。

震災はいつどこで起きるかわかりません。家が倒壊していなくても帰宅困難になる可能性は十分にあります。

棕櫚亭も宿泊を想定して、食料品や簡易トイレ、毛布などの災害用備品を用意しています。

すこしでも混乱が避けられるように防災マニュアルも完備しています。順次更新もしています。またブロック塀の安全点検(6月に起きた大阪での地震により、小学校においてプールのブロック塀が倒壊し、その塀に挟まれて女子児童が亡くなられた事故をうけ)家具転倒防止など、災害用備品以外の取り組みも行っています。

ダウンロード (1)

 

去りゆく平成最後の年に選ばれた「災」の文字に別れを告げ、新年を迎えたいと思います。少し早いですが皆さんも良い年をお迎えください。

 

今年一年時事伴奏にお付き合いいただき本当にありがとうございました。

ピアスタッフ 櫻井 博

(了)

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