【報告】拡大版多摩就労研究会

オープナー 2017/03/15

平成29年2月24日、年度最後の多摩就労研究会を行いました。
いつもの会場を飛び出し、拡大版として講演・実践発表・フロアとのディスカッションを企画しました

この「就労研」は、各機関の実践者が主体的に参加し、本音で語り互いに切磋琢磨し連携を図ることを目的にしています。
以前、行っていた「就労研」をバージョンアップし今回、多摩地区にある障害者就業・生活支援センター(中ぽつ)3つが協力し、多摩地区の就労支援機関、医療関係者に呼び掛けし年4回程度の定例の研修会をおこなっています。

今回は、いつもより多め、そして議論できるくらいの45名が参加しました。
拡大版のテーマはやはり「精神障害のある人の定着支援」

まず、文京学院大学の松為信雄先生に講演していただきました。先生の幅広い視点で来るべき平成30年をどのように乗り越えていくのか、現状の問題点や今後の課題、支援者に望まれること・問われることを見事に分析し分かりやすく講演いただきました。福祉から雇用の流れを「キャリア」の概念で抑えること、「パラダイム(見方)を変える」ことがこれからとても大事になるというメッセージをいただきました。

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講演と実践報告の間をつなぐキックオフにタラントの野路氏が「精神障害のある人の定着を考える上で定着率の問題に触れ、就労までの流れを図式化したもので説明し、整理して後半が始まりました。

実践報告では大阪精神障害者就労支援ネットワークの金塚たかし氏就労移行支援事業ピアスの高橋しのぶ氏より報告してもらいました。

金塚氏からは、大阪での実践と支援の基本に触れ、雇用定着には信頼関係を作っていくこと・語ることで精神障害のある人は元気になっていくこと・支援者として何故就労支援を取り組むのかを報告いただきました。

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また、高橋氏からは「精神障害者の定着支援からみえるもの」をピアスの利用者で3年以上定着している方の支援量をデータ化し、お話しいただきました。精神障害者の支援の量は年数に関係なく減らない事実は分かっていながらも、衝撃でした。

その後ディスカッションでは信頼関係を築いていくことの大切さ、だからこそできる支援があることなどそれぞれの視点から意見をいただきました。

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今回の懇親会は「講演を通して感じたそれぞれの思いを熱いうちに語り合いたい」と思い会場を変えずにデリバリを頼み、立食形式で行いました。参加者の半数以上の方々にご参加いただき、講演の時間では消化しきれなかった疑問や思いを語り合うことができました。

私は松為先生とお話しさせてもらい、地域ネットワークをつくる上で大切な四つのポイントを教えていただきました。
①目的の共有②情報の共有③思いの共有④ノウハウの共有です。
共通の目的をもって、情報交換をしながら思いを分かち合い、それを実現化するためのノウハウを共有することでネットワークがつくられていくということを教えていただき、感銘を受けました。多摩地域のネットワークを作っていくため定期的に集まっていますが、私自身ネットワークがどう作られるものなのか、またどういったものがネットワークというのかよくわかっていませんでした。そんな中、松為先生のお言葉を聞いて私のなかで漠然としていたものが少し見えてきたように思います。

4つのポイントから考えると今後、多摩就労研で取り入れたいことはノウハウの共有だと感じました。そのために実際の現場で当事者とどう関わっているのか、組織としてどのような取り組みをしているのか、各機関の具体的な事例を伝え合う機会を提案してみたいと思います。多様なニーズへの対応が必要とされている今、当センターだけでは対応できないことも他機関からの知恵を借りることで問題解決への糸口をみつけられるかもしれません。

本田 美咲

《出前講座》拝島駅作業所にて

オープナー 2017/02/15

オープナーでは、今年から近隣の就労支援施設に出向く出前講座に力を入れ始めました。
講演の内容は、働く準備性やコミュニケーションのポイント、働く先輩からの話などをご依頼いただいた施設のオーダーに合わせてカスタマイズしていきます。

動き出した第一弾として、拝島駅にある拝島駅作業所に毎週月曜日の合計3回伺わせていただきました。

初めて訪問した私たちを明DSC_0264るく温かく迎えていただき、あっという間に緊張がほぐれ、楽しく話すことができました。
今回の内容は「働く準備」から「働き続ける当事者の話」など、1回1時間30分の時間で幅広くお伝えしてきました。
たくさんの質問が飛び交うなかで、利用者さん同士でアドバイスや意見交換をしあう場面も見られ皆さんのモチベーションの高さを感じました。

特に3回コースの出前講座の中でもオープナーに登録している川﨑さんの話に皆さん興味津々でした。
川崎さんの話では発症してから10年間の苦労や葛藤、トレーニングで身についたこと、今の仕事を選んだ理由など様々な視点から話をしていただきました。DSC_0266
川﨑さんからのメッセージで印象に残っていることとして「まずは抱え込まず会社の担当者・支援者に相談することが大切」という言葉でした。この言葉は事前にいただいていた質問の中でも「病状が悪くなりそうな時の対処方法」や「長く働くための秘訣」への答えとして、利用者の皆様にも届いたと思います。

 

今回の出前講座で感じたことは、オープナーから近隣施設へ出向くことで、お互いに知り合うことができ、多摩地域のネットワークができてくことを実感しました。また、出前講座を通して、「働きたいけど…」と思っている当事者の方達が「働けるかも」「働きたい」と思っていただけるような内容にしていこうと思えたいい機会になりました。

【以下アンケートより一部抜粋】
◎とてもわかりやすく質問もしやすく良かったです。
◎難しい話はいっさいなくとても聞き取りやすかったので良かったです。
◎障害者雇用の実情が分かって良かった
◎自分自身が障害を知っていることの大切さがわかりました。

※今後に向けてのご意見
◎今回は男性の当事者の話しだったので、女性の話しも聞きたいです。
◎時間が足りなかった。

近隣施設からのご依頼、お待ちしております!!

川田 俊也

【談話室】新年会を行いました!

オープナー 2017/02/15

1月末に談話室で『新年会』を行いました!!
久しぶりの方や初めての方も参加し、たくさんのメンバーが集まって、食べて話してゲームして…とても楽しんでいました。

今回は懐かしいおもちゃ(けん玉、コマ、ヨーヨー、お手玉など)コーナーを設置し、普段やらないだけに盛り上がりました。

他には、今年の抱負を一人一人語ってもらいました。「欠勤しないように頑張ります」「言葉使いに気をつけます」「1人前になります」「体調を崩さないようにします」など。
また、グラッシーズ(音楽バンド)の演奏や、定番のビンゴゲームも行いました。

メンバーが中心となって新年会の各役割を担い、実行委員で内容をどうするのか会場をどうするのかなど企画から準備までを話し合いました。司会者も打ち合わせとリハーサルをし、成功できるように取り組んでいました。司会は当日緊張していましたが、最後までやり切ることができ安堵している様子でした。職員はみなさんが楽しめるようサポート役です。

おでん・お寿司・甘酒など、最後にケーキもありみんなお腹いっぱいで満足していました。疲れも忘れ、寒さも忘れ、リフレッシュできた時間でした。
今後も談話室をみんなで盛り上げていきたいと思います!

吉岡 誠

【お知らせ】冬期休暇について

法人本部 2016/12/29

~ 冬期休暇のお知らせ ~

12月29日(木)より法人のすべての事業所が冬休みに入ります。

「ピアスが1月4日」、「なびぃが1月5日」、「オープナー・棕櫚亭Ⅰが1月6日」より、開所となります。

新しい年も、社会福祉法人多摩棕櫚亭協会をご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

【報告】働く当事者からのメッセージ

オープナー 2016/12/20

平成28年12月15日(木)に障害者就業・生活支援センター オープナー主催の
【シリーズ第6弾】  働く当事者からのメッセージ ~カギは余暇と支援者の活用にあり!?~
を行いました。

今年も定IMG_0754員80名のところ約100名の方にご参加いただき、
急きょテーブルを増やす盛況ぶりでした!

 

 

第1部では、都立多摩総合精神保健福祉センターで発達障害プログラムやピアスでCES(コミュニケーションプログラム)を担当しておられる中村 干城氏による、余暇の必要性についてノリノリでクイズも織り交ぜながら講義いただき、ピアサポーターであるSさんにもご登壇いただきました。「充実した余暇を過ごすことが仕事の充実につながる」という目から鱗のお話しがあったり、ピアサポーターのSさんからは職場以外でコミュニティを持つ重要性について語ってもらいました。

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いよいよ、第2部では3人のオープナーメンバーに登壇していだき、赤裸々に自分の歴史と今を語ってもらいました。ベテランの丸山さんに切り込み隊長になってもらい、デビュー戦の藤井さん、成田さんをひっぱってってくれました。(実は支援者も安心しました)「障害者になりたくなかった」「休職しながらでも働き続けたい」…など苦労や葛藤、普段は言葉にしないことを発信する3人の姿は見事!いつの間にか3人がお互いに質問しあえる雰囲気にもなり、初めて会って話す3人とは思えませんでした。興味・関心の連鎖は会場にも広がり、質疑応答も時間が足りないくらいでした。

働く前の準備が大事!働いてからもいろいろある!働き続けることが大切であること。働く当事者ならではの生の声は参加者に響いたと思います。

「頭でっかちにならないで、意外と働けます」とても心に響くメッセージでした。

終了したあとの登壇者の満足気な表情、素敵です!

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川田 俊也

【68枚のアンケートから抜粋】

第1部:働くために今からできる準備~余暇はなぜ必要?~

◎今まで考えなかったテーマなので、興味深い話を聞いて積極的に外に出て、色々なことをしたり、見たりしたいと思った。
◎余暇と娯楽は違うことがわかり大発見だった!
◎障害の有無に関わらず、時間の使い方の工夫は必要だと感じた。
◎余暇も含めた支援を行い、定着させていきたい。

第2部:働く前の準備から職場定着まで~良かったこと・失敗から学んだこと~

◎就職前に通い続けることが必要なことがわかった。
◎働き続けるためには努力が必要。
◎自分にあった仕事と余暇を探していきたいと思えた。
◎就職はゴールではなく働き続けることを目指したい。
◎努力すれば成長できるメッセージが心に響いた。
◎質問に深さが感じられなかった。

 

皆様から頂きましたご質問に関しては講師からお返事をいただき次第、ホームページにて掲載致します。

【働く当事者からのメッセージ】満員御礼

オープナー 2016/12/08

先日お知らせしました、
働く当事者からのメッセージ

~カギは余暇と支援者の活用にあり!?~

へのたくさんのお申し込みありがとうございます!!

大好評により、定員に達しました!

今回ご参加できなかった方は……
是非!来年の当事者セミナーにお越しください。

セミナー当日も来週に迫ってまいりました。
ご参加くださる方々、当日はお待ちしておりますね。

【働く当事者からのメッセージ】のお知らせ

オープナー 2016/12/05

今月15日(木)にオープナー主催で
《シリーズ第6弾!》
働く当事者からのメッセージ

~カギは余暇と支援者の活用にあり!?~

を立川グランドホテルにて開催いたします。

【日 時】12月15日(木) 13:00~16:00(12:30開場)
【場 所】立川グランドホテル

第一部 働くために今からできる準備~余暇はなぜ必要?~
講師:都立多摩総合精神保健福祉センター 中村 干城氏

第二部 働く前の準備から職場定着まで~良かったこと・失敗から学んだこと~

定員まであと5名になっております。
ご興味ある方はオープナーまでご連絡下さい!
皆様のご応募お待ちしております。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

JSN東京を見学&職員交流してきました。

研修会 2016/10/28

10月25日、渋谷にある就労移行支援事業所JSN東京にて事業説明&職員交流が行なわれました。棕櫚亭の就労支援スタッフ総勢10名で押し掛け(⁉︎)ましたが、快く迎えて下さいました。

NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク(略称Job Support Network=JSN)は、大阪を拠点に主に就労移行支援事業を展開されています。この8月には新たに東京で事業所を開所されました。棕櫚亭は、先のリカバリーフォーラムやSPISの研修でもお世話になっていて、今後の交流を約束していたのでした。

今回は、統括所長の金塚さんから、JSNの就労支援の仕組みとそこで大切にしている思いを聞かせて頂きました。質疑応答では、時間を超過しても終わらず・・・。その後の懇親会でも大いに盛り上がり、次回は棕櫚亭のある谷保にて再会する約束をしたのでした。

JSN東京の皆様、たくさん勉強させて頂きました。ありがとうございました。

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【報告】多摩就労ネットワーク連絡会議

オープナー 2016/10/14

平成28年度の多摩就労ネットワーク連絡会議を9月29日ハローワーク立川会議室にて、市区町村就労支援事業や行政機関、医療関係者、地域で就労相談や就労支援を行っている方々、63名が集まり無事終了しました。

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今回のテーマは、今まで支援の対象ではなかった大学在校生、大学卒業時就職できなかった20歳代の若者が各就労支援機関を頼って相談をしている。中には、大学の先生からの相談もあると聞いた事が発端になります。
この状況を聞いて、今後の私たちの新しい対象者になることは確実だと思いました。
そこで事前に情報を得て就労相談の業務に活かすことはもちろんですが、実際の情報を共有し、実践を聞き、ネットワークの視点をもって解決していけるかを問いかける研修にしようと考えました。

実践報告①

大学では今「一橋大学の実践」

◎講師
一橋大学 保健センター教授
精神科医 丸田 伯子先生

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丸田先生の報告では、学生の“困りごと”から相談が始まり支援につながっていること、特性の自覚の有無によって支援の経過が違うことを報告していただきました。障害者差別禁止法が施行されたことによって、大学での在学障害者支援が取り組まれたことを知ることができました。

実践報告②

就労支援における大学との連携

◎講師
東京障害者職業センター 多摩支所
主任障害者職業カウンセラー 井上 量氏

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井上氏の報告では、発達障害学生の就労支援における就労支援機関と教育機関との連携の現状と併せて事例の報告もしていただき、支援が必要な学生が大学在学中から就労支援機関とつながっていくための連携の在り方について学ぶことができました。

実践報告③

教育と福祉のネットワーク 「障がいのある生徒さんの就労に関する連絡会」を立ち上げて

◎講師
大田区障がい者総合サポートセンター
就労支援調整係長 木伏 正有氏

大田区障がい者総合サポートセンター さぽーとぴあ
障がい者就労支援センター 広瀬 健次郎氏

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木伏氏・広瀬氏の報告では、特別支援学校でない高校からの支援要請や高校在学時・卒業後のライフステージでつまずいてしまう方がいることから、高校との連絡会を立ち上げた報告をしていただきました。連絡会では、支援プロセスの共有や就労支援の情報提供を行っています。在学中から支援センターが関わることでアセスメントを行いながらマッチングをはかり、学校と役割分担をしながらサポートを行っているとのことでした。連絡会では今後は、連絡会に区内全ての高校に案内していくことや大学・専門学校等高等教育機関との連携にさらに取り組んでいくそうです。

 

実践報告の一橋大学・障害者職業センター・大田区は先駆的な内容で、アンケートからも「新しい取り組みは驚きだった・知らなかった事がたくさんあり、連携がとても大事だと思った」との興奮気味の記述があり、「実践現場のとりくみは非常に興味深かった」「タイムリーな話題だった」と嬉しい書き込みもいただきました。

今後もオープナーでは、精神障害者の就労支援に役立つ情報と、就労支援機関等が興味の持てる研修を開催していきたいと思います!

 

【9月談話室】のご報告

オープナー 2016/09/30

9月の談話室では、東京YMCA医療福祉専門学校からの実習生を6名お迎えし、
【ストレス対処と余暇の過ごし方】をテーマに総勢30名でディスカッションを行いました。

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各々の趣味やリラックス方法、気分転換方法を話しながら、
皆さんの考える“余暇”についてグループで話し合いを行い、共有をしました。

そして、生活のなかの自由な時間を休息・発散・自己啓発にバランスよく有効活用し、長く働き続けていこう!!とのまとめとなりました。
スポーツや料理、写真を撮るなど、次回の談話室までに取り組んでみたいこともそれぞれで挙げました。
今回の談話室では、「自分ではやったことのない趣味の話しを聞けて参考になった。」
「自分で取り入れられるものは積極的に取り入れていきたい。」などの感想が寄せられました。

メンバーの方々の趣味を聞き、意外な一面を知ることができました。
共通の趣味を持っている方々で盛り上がっていたり馴染みのない趣味の話で盛り上がっていたり、
新たなつながりができていたのでとてもうれしく思いました。
次回の談話室はどのように盛り上がるでしょうか!?

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