理事長就任の挨拶

法人本部 2016/11/25

2016年11月13日に行われました理事会の決定を受け、天野前理事長から理事長の職を引き継ぐこととなりました。ここ10年をかけて取り組んできた組織継承に、一旦の区切りが着きほっとしたと同時に、大きな役割に身の引き締まる思いです。さらに、棕櫚亭は来年で活動開始から30年を迎えます。その様な節目の年を前に、この継承が無事に行われた事をとても嬉しく思っています。

 

この30年を振り返ってみると、棕櫚亭には10年ごとに大きな事が起こります。まず、最初の10年には、社会福祉法人を設立し、通所授産施設を開所しました。法人格を取得した事で、受託できる事業も増え、提供出来るサービスの幅を増やしていきました。そして、さらにその10年後には、障害者自立支援法(現:障害者総合支援法)が施行され、棕櫚亭も、この法改正に合わせ、サービスを再編するという事を余儀なくされました。収入面でもそれまでの箱払い(年度払い)から、個別給付(日払い)に変わり、自分達の意識を「施設運営」から「施設経営」に変えていく必要にも迫られていきました。質の高いサービス提供と経営のバランスに四苦八苦しながら、法人全体が一つになってこの荒波を乗り越えたのを、昨日のように思い出します。そして、30年を迎える今、社会福祉法の改正が行われようとしています。この法改正は「社会福祉法人制度の大改革」と言われ、またまた棕櫚亭にも荒波が押し寄せてきそうです。本当に10年ごとにいろいろな事が起こります。でも、天野前理事長はこんな事をよく言っていました。「組織は10年で腐る。」この言葉を考えれば、色々反論したい事はあるにせよ、法改正も組織の活性化には必要な事なのかもしれません。ただし、そこに飲み込まれることなく、棕櫚亭らしさは大切に守っていかなければと思っています。

 

最後に少しプライベートな話になりますが、数日前に理事長交代を知った友人から、メッセージが届きました。私もそれへのお礼と、ただ旧友という事もあり、少しの不安と本音を織り交ぜた返信をしました。するとさらにこんなメッセージが送られてきました。

「あなたの仕事についてはほとんど全くと言っていいほど、知識がありませんでした。でも時折、棕櫚亭のホームページを見たりしている内に、ああ、こんな世界があって、こんな風に頑張っている人たちがいるんだと気付きました。魅力的な方もたくさんいて。だから素晴らしいじゃないですか!!そんな世界をけん引していけるという事は!!!」

この言葉は、新しい出発にまだ少し躊躇する、私の最後の最後の扉を開けてくれるものとなりました。そして、これは利用者の方々、そのご家族、棕櫚亭がこれまでお世話になった沢山の方々から頂いた言葉の様にも感じています。「棕櫚亭があってよかった。」そう思っていただける様な組織を、職員と共に創り続けていきます。これからも皆さんに助けて頂く事ばかりだと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

平成28年11月24日

多摩棕櫚亭協会 理事長 小林由美子

理事長交代のお知らせ

法人本部 2016/11/25

理事長天野聖子から今季限りでの退任の意向がだされたことを受け、先日の理事会で理事長の互選が行なわれました。天野前理事長の退任を惜しむ声や、新しい世代への期待といった意見が出される中、前常務理事の小林由美子が新理事長に、理事の高橋しのぶが新常務理事に選出されました。任期は2年で平成28年11月19日から平成30年11月18日となりますが、改正社会福祉法との関係で実質は平成29年6月までの任期となる予定です。

 

常々天野前理事長が申しておりました「他に先駆けた世代交代」へと又一歩前進し、新体制におきましても変わらず精神保健業界の牽引役であるべく研鑽を積み、山積する課題に取り組んでいく所存でございます。とは言え、大幅に若返ったことでの組織としての未熟さはあろうかと思います。従いまして皆様におきましては引き続き変わらぬ、多摩棕櫚亭協会へのご支援・ご指導をいただければ幸いです。重ねてお願い申し上げます。

 

尚、10年にわたって理事長を務めました「天野前理事長の退任挨拶」や「小林新理事長の所信表明」につきましては、後日当ページでアップする予定です。今しばらくお時間をくださいませ。

 

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会 法人本部

JSN東京を見学&職員交流してきました。

研修会 2016/10/28

10月25日、渋谷にある就労移行支援事業所JSN東京にて事業説明&職員交流が行なわれました。棕櫚亭の就労支援スタッフ総勢10名で押し掛け(⁉︎)ましたが、快く迎えて下さいました。

NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク(略称Job Support Network=JSN)は、大阪を拠点に主に就労移行支援事業を展開されています。この8月には新たに東京で事業所を開所されました。棕櫚亭は、先のリカバリーフォーラムやSPISの研修でもお世話になっていて、今後の交流を約束していたのでした。

今回は、統括所長の金塚さんから、JSNの就労支援の仕組みとそこで大切にしている思いを聞かせて頂きました。質疑応答では、時間を超過しても終わらず・・・。その後の懇親会でも大いに盛り上がり、次回は棕櫚亭のある谷保にて再会する約束をしたのでした。

JSN東京の皆様、たくさん勉強させて頂きました。ありがとうございました。

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あさやけ作業所の伊藤善尚さんが来所されました

法人本部 2016/09/29

棕櫚亭には毎日多くのお客様が見えますが、時にとても懐かしい人が、顔を出してくれることもあります。今日は利用者のモニタリングに来たあさやけ作業所の伊藤善尚さんとピアスのお弁当を食べました。この道40年の方なので、昔話に花が咲きました。共同作業所つくりに情熱を燃やしたけれど、大きな文脈から見たらどういうものだったのだろう、これから福祉はどんな形になるのだろうなど話はつきません。いろいろな話の中で改めて見えるものもあるようで、あっという間の1時間でした。(天野)

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相模原殺傷事件に対するアピール行動に参加しました

法人本部 2016/09/27

9月26日(月)「相模原事件に対するアピール行動」が参議院議員会館及び日比谷公園周辺で行なわれました。多摩棕櫚亭協会からも8名の職員が参加しました。途中、シュロの会(家族会)の植松さんとも合流することができました。

行動でのアピールポイントは4点で、以下のとおりです。

①19人ひとり一人に思いを馳せ、追悼する。
②「障害者はいなくなればいい」存在ではない。
③措置入院の強化、施設や病院の閉鎖性を高めることに抗議する。
④障害の有無によって分け隔てられないインクルーシブな社会をつくる。地域生活支援の飛躍的拡充を求める。

多摩棕櫚亭協会は「相模原殺傷事件」について、これからも継続的に事件について見聞を深めながら、いろんな切り口で考え、皆で知恵を出しながら、発言していきたいと考えています。

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(参加した職員の声)

棕櫚亭でもこの事件について、メンバーの方々も含め、自分の思いを語り、忌憚のない意見交換をすることが大切なのではないかと感じた。自分の障害について考えながら魂の通った対話を通じて、社会を皆で支え・支えあうとする姿勢や実感を得るというプロセスが改めて大切だと思った。そういう意味でも今回のアピール行動は、議論の場ではなく、対話集会だったことがよかったと思う。(櫻井)

様々な障害者がこの事件については本当に発言したい、訴えたいという思いで集まっていました。立場や意見は様々だけれど、とにかく障害があることで排除しないで、多様性を認める社会にしようという思いは一つだと感じました。(天野)

いろいろな立場によって、捉え方や意見の違いがあるということを実感しました。また、施設サービスのあり方、匿名性、建て替えのことなど今まで自分があまり深く考えていなかったテーマがあることも学びになりました。「命の価値」というテーマについても、「そもそも命が価値というものの生みの親だから」という捉え方にもなるほどと思いました。この事件を、社会全体の問題、そして、社会を形作る一人一人の問題と考える人がたくさんいることに少しほっとし、わたしも、自分の中にもある暗闇から目を背けないでいこうと強く思っています。(伊藤)

今回参加するにあたってプラカードを作ったのですが、掲げたいメッセージを考えながら、本当にこの事件は多くのテーマを含んでいることを改めて実感しました。とても一言では収まらず、結局は、参加できなかった職員の想いも含め4つのメッセージを背負って歩きました。
今、多くの雑誌などで事件の特集が組まれています。追悼集会にて多様な団体や立場の人間が一同に集い、この出来事が抱える様々な側面に対する想いを語り合ったことに意義があり、これだけの議論のきっかけを与えてくれた事件を決して風化させてはならない、我々は考え続けなければならないと、痛切に感じました。         (尾崎)

今回のアピール行動に参加して感じたことは、自分が一面的にしか物事を見ていないということです。山ゆり園の施設の建て替えについても然り、「障がい者はいなくなればいい」という考えに対して、「それは間違っている」というだけでなく、その考えに正面から向き合って議論を深めていくことが大切なのではと感じました。それを実行するのはとても難しいことですが、自分の身近なところから始められたらと思います。  (工藤)

集会に参加して、いかに今回の事件が多くの人達にショックを与えたか、偏見を持つ人達がいまだに多い事をまのあたりにしました。又私達が、進めてきた事と反対の方向へ進もうとする動きも出てきている事も知り、歩みを止めず、ここで自分も負けないように、職員として、一個人として、常に何かできる事は無いのか?ということを考えていかなければならないと強く感じました。(馬川)

今回参加して、この事件が国や当事者、家族と多くの人に与えた影響の大きさを感じました。この悲しい事件を「ただ悲しい」と思うだけではなく、悲しみから障害を持った方々のこれからを変えたい・変えていかなければという強い決意の声を直接聞くことができ、改めて自分にできることは何なのかを問うきっかけになりました。(本田)

いろいろな立場や背景の方の話が聞けて、まさに多様な場でした。熊谷さんという方の、「障害者は価値のない存在では無くて、価値を生む母なのだ」(たしかそんな話でした)という言葉が心に残りました。
アピール行動は、大きな声が出せて楽しかったです。始まったら、アッと言う間でした。(田村)

子どもの育ち・自立を考える「ワークショップ」参加して来ました

法人本部 2016/09/23

国立市内には案外多くの組織、団体があって、子供の貧困や経済的困窮者、就職できない、外出できない人達への支援をそれぞれの切り口で実践しています。今日は公民館とNHK学園の共催の(子供の育ち・若者の自立を支えるつながり)というワークショップに参加しました。50名くらいの参加者でしたがグループを回って喋り、自然に知り合いになってゆくワールドカフェはじめて体験です。個性豊かな団体の横のつながりというのは永遠の課題だとのことですが、小さな団体がいくつか集まって実践でコラボしてゆく、それがあちこちにできれば、もっと住みやすい地域になってゆくかも・・最近始まった公民館の学習支援室にピアスのお弁当が届く、配達は地域の民生委員や保護司の方、という組み合わせは大事な視点だと改めて思いました。

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青梅の家族会で当事者スタッフが講演しました

法人本部 2016/09/22

9月17日、青梅の家族会「ほっと・スマイル」の定例会に、シュロ亭のピア(当事者)スタッフ櫻井博さんと共に参加してきた。当日は多摩棕櫚亭協会のご紹介もさせて頂いたが、メインディッシュは何と言っても櫻井さんのお話し。今回は家族会のお誘いと言う事もあり、いつもの体験談に加えてご両親とのやり取りを、時には当日お二人から貰ったお手紙を読み上げながらお話しされた。正に渾身の作!と言う感じだった。ご本人曰く「当時の事を思い出すのは今でも辛いけど、ご家族には誤魔化してはいけないと思って…」と。彼の誠実な人柄が覗く。その思いはご家族に届き、会場は全員の周波数がピタリとあった感じ、何か「双方の橋が渡った!」瞬間に居合わせた感じだった。私も感動し涙を流したものの、実は私が彼と出会った10年なんて物事がうまく回りだした10年なんだと思い知らされた。それまでに彼とご両親との間には、たくさんの葛藤、争い、すれ違いがあった事を彼の話は物語る。「ご家族も当事者」とはよく言うが、正にそれを実感した瞬間だった。会場のご家族も、彼の話に後押しされるように、涙ながらに様々な思いを語られた。中には「櫻井さんの話には感動したが、今でも娘を医療保護入院をさせてしまった傷が癒えない」と、切々と語るご家族もいた。「ご家族を支えるサービスがこの国は少なすぎる…」そんなことも痛感した。話の最後を櫻井さんはこんな言葉で締めくくった。「病気になって僕も途方にくれたが、今にして思えば父も母も同じだったんだと思う。精神病になると言う事は、今まで引いてきたレールをもう一度引き直す様なもの、だから回復までに時間がかかるんですよ」と…深くて重い言葉だった。

この日の司会は中住さん、この貴重な機会をくれた方だ。東京青梅病院を退職し、舞台を地域に変えて活躍されている。今はひこばえの家の理事長を始め、東京つくし会の理事、この家族会の世話人と病院時代よりかえって忙しいそうだ。何とも頼もしい。

いい時間を過ごした。櫻井さん、中住さん、そして「ほっと・スマイル」のご家族の皆さん、本当にありがとうございました!

報告者 小林 由美子

経営層職員の内部学習会を行ないました

法人本部 2016/09/16

IMG_4765日本コンサルティングの橘川先生をお招きして、「人事考課」に関する経営層職員の学習会を行ないました。

多摩棕櫚亭協会では、昨年より人事考課に導入に向けて準備を進めてきましたが、今年度本格実施に踏み切っています。

橘川先生には、導入後のフォローとして、引き続きサポートしていただいていますが、経営層である私たちも「サービス向上」に向けて必死に学んでいます。職員の学びの風景をご覧下さい。

ウェブサイトを全面リニューアルしました

法人本部 2016/09/07

ウェブサイト・リニューアル

いつも多摩棕櫚亭協会のホームページをご覧いただきありがとうございます。

おかげさまで多くの方に、お問い合わせやご意見をいただき職員一同感謝しております。

このたび当サイトを一新、より視認性・デザイン性の高いものへとリニューアルいたしました。

また、追加機能としてスマートフォン対応も行なっています。

今後引き続き、多摩棕櫚亭協会及び新しいサイトをご愛顧いただければ幸いです。

 

 

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