メンバー・ご家族・関係者の皆さまへ(緊急事態宣言延長後の活動について)

法人本部 2020/05/01

メンバー・ご家族・関係者の皆様へ

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

理事長 小林 由美子

皆さまいかがお過ごしでしょうか?お辛い日々の中、職員一同、皆さまの心身の健康を按じているところです。

国や都の新型コロナウイルス感染拡大防止の活動自粛要請を受け、多摩棕櫚亭協会でも各事業所とも宣言期間の5/6まで一時的にサービスを縮小するなどの活動自粛を行ってまいりました。しかし、いまだに感染拡大の収束に見込みが立たず、昨日(4/30)の報道では緊急事態宣言期間が1カ月程度延長する事も確定しているようです。

そこで当法人としても、この様な状況の中で通常活動を再開する事はメンバー皆さんの安全を考えた上でも難しいと判断し、さらに5月末日までの活動自粛延長を決定いたしました。活動再開を楽しみにお待ちいただいた方々には本当に申し訳なく思っております。

しかし一方で、この活動自粛が長引くという事はメンバーの皆さんに大変なご不便をかけるという事も重々承知しております。ついては今後の対応として、今まで通り最大限の安全に留意しつつ、各事業所とも可能な限りいったん縮小したサービスを元に戻していく、もしくはそれが難しい場合はオンラインサービス等を活用しながら代替サービスの充実を図ることを併せて行っていこうと考えております。

その一例としてピアスでは、5月22日(金)から可能な範囲での通所サービスの再開準備を進めていく予定です。また、その他の事業所、同じく就労系サービスのオープナーや、生活系サービスのなびぃ、棕櫚亭Ⅰも所轄庁と相談しつつ、同じようにサービスを元に戻していくつもりでおります。その詳細については、後日ホームページに掲載する予定ですので、ゴールデンウィーク中ではありますが引き続きこの「お知らせ」ページをご覧いただけたら幸いです。また5月末日という期間も、現時点での決定であります。今後国からの方針がさらに明確に示されれば、期間等はそれに応じて変えていくつもりでおりますので併せてご了承ください。

当法人の活動自粛は4/13から始まりました。この間、メンバーの皆さん、ご家族、そして関係機関の方々にご迷惑をかける事を心苦しく思っております。しかしここまで、メンバー、職員ともコロナウィルスに感染するという悲しい出来事もなく、皆、無事に過ごせております。これが法人としては何よりの事と思っております。

今後もご不便をおかけするとは思いますが、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。そして何より皆様の健康をお祈りしております。

(令和2年5月1日)

みなさんお元気ですか?~在宅勤務、2週間目に思う~

法人本部 2020/04/20

理事長 小林 由美子

メンバーの皆さん、その後お変わりなくお過ごしですか?

先週から棕櫚亭は、国の緊急事態宣言を受け、各事業所のサービスを通常から変更し、皆さんにご利用いただいております。通所サービスから在宅サービスへ、また電話相談のみの対応や時間が縮小されたりと、大変なご不便とご迷惑をおかけし申し訳なく思っています。またスタッフ体制もサービス提供にあたる一部のスタッフを除いて、皆、自宅待機となりました。そういう私も、羽村という所に住まいがあり、電車を乗り継いでの出勤となるため、現在は在宅勤務をしています。この文章も自宅のパソコンで打っています。

ところで、皆さんは先週から始まった在宅ライフをどのように過ごされていますか?私はというと、最初でこそ「あ~、通勤がないから楽~。」なんて、のんきなことを思っていましたが、一日一日と日がたつにつれ、在宅での生活リズムを作るのに四苦八苦しています。朝決まった時間に起きる事、シャワーを浴びる事、朝食をとる事、そして身づくろいする事(化粧も含む・・笑)、今まで億劫以外の何物でもなかったこの一連の作業が、実はリズムを作るのに一役買っていた事を今さらながら痛感しています。これがなくなった今、もともとの「ものぐさな私」が少しずつ顔を出し、今までのリズムを侵食しようとする。そこを踏みとどめていくのは結構大変な作業です。

こんな時、「メンバーのみんなはどうしてるんだろう?」なんて思います。私はいつもスタッフの立場で皆さんに、「生活リズムが大切です。」やら「調子の波をコントロールしましょう。」などとよく言っていました。でも、自分がそれをしなければいけない立場となった時、なんともそれが難しい事だと実感しました。「どの口が言ったんだか・・・」大いに反省です。きっと今までの私の生活リズムは、職場あってこそ保たれていたもの、それがなくなったらいとも簡単に崩れてしまうんだと思い知らされた先週でした。

もしかしたら、通所サービスから在宅サービスになったり、今回の事で生活になんらかの変化があるみなさんも、同じ思いをされているかもしれません。でもみなさんは日頃から生活リズムに気を配ったり、調子の波と付き合い慣れているベテラン。そこが私などとは大きく違う点だと思います。ぜひリズムが崩れた時の立て直し方や、自分のコントロールの仕方など、みなさんが蓄積してきた知恵を教えてもらいたいものだなぁなどと思ったりしています。

さらに在宅になって感じた事をもう一つ。やはり一人で仕事をするのは淋しく、何となくやる気が出ないという事です。日頃、職場に行けば仕事に追われ、「あ~ ゆっくり考える時間が欲しい・・・」なんて思ったりもしました。でも、在宅になった今、時間さえあればいい仕事が出来るかといえばそうではない。実は、あの人も頑張っているから私も頑張ろうと思ってみたり、同僚との何気ない会話で息を抜いたり、気分を変えたり、職場での人間関係の中で保たれている事がずいぶんあったんだなぁと改めて思ったりします。その証拠に先週、棕櫚亭のスタッフから電話があったり、メールがあったりすると、何だか嬉しく、いつもよりたくさん話したり、丁寧に返信したり・・・そして「お互い頑張ろうね。」なんて言いながら、自分のモチベーションが上がっていくのを感じました。不思議です。

ここまで書いてきて何が言いたいのかといえば、毎日通う場所があったり、人との繋がりがある事は、やはりとても大切なんだなぁという事です。そんな事、分かり切っていることかもしれません。でも、難しいのは今回のコロナウイルスの問題は、感染防止の観点から「不要不急の外出を避ける」さらには「三密を避ける」など、「人が動くこと」「人が集う事」「人が話す事」をなるべく避けなければいけないところです。今まで私たちが価値を置き大切にしてきたことと、正反対の事が第一とされているところです。

「では、このままでいいのか?」

いえ、やはり「人が集ったり、つながる場」はきっと必要なはずです。そこでこんな事を考えました。今、パソコンやスマートホンの普及により、インターネットなどの通信技術が進んでいます。SNSなどパソコン上での人と人との繋がりや、手軽なところではlineなんていうコミュニケーションアプリもあったりします。実際の場で集う事つながる事が難しいなら、こんなものを使って、集ったりつながったりするのもいいかもしれません。なんてこんな事を書きながら、私は全くのIT音痴。だからいきなり大きな事は出来ませんが、みなさんやスタッフ達に助けてもらいながら、そんな場所を少しづつ作れたらいいなぁ・・・なんて思っています。その時はぜひご協力ください。

先週から始まった在宅ライフ、これはもう少し続きます。「朝の検温」「手洗い・うがい・アルコール消毒」さらには「ソーシャルディスタンス」、こんな言葉がテレビからはひっきりなしに流れます。正直もういい加減あきあきです。だったらこの状況を、棕櫚亭らしく「明るく」乗り越えましょう。「明るく・元気に・美しく」皆さん、この棕櫚亭の合言葉をご存じですよね。大変な今だからこそ、またこの言葉を大切にしましょう。そして何より元気に、みんなで乗り越えていきましょう。

 

 

 

新型コロナウイルス感染拡大防止の対応について~棕櫚亭としてこう考えた~

法人本部 2020/04/15

理事長 小林 由美子

ほんの数ヶ月前に、今のこの状況を誰が予想したでしょうか?

昨年の11月に中国武漢で発見された新型コロナウイルス、そしてその世界的大流行。少し前までは「あ~中国が大変な事になっている・・・」と、対岸の火事を眺めるような気持でいました。しかしそれは対岸のものではなく、今や私達の目の前に迫っています。そして今月7日、国から出された緊急事態宣言。そんな状況の中で多摩棕櫚亭協会としても、このパンデミックに対する一つの方針を出しました。

法人として、このウイルスへの対策に取り組み始めたのは2月の初旬からです。この頃、厚生労働省からも、ウイルスに関する通知がいくつも届き始めました。それに倣い、手洗い・うがいの徹底や加えてのアルコール消毒、三密を避けるための時差出勤や部屋の換気、さらには10人以上のイベントの自粛など、拡大防止となる策には出来るだけ取り組んできました。そしてこの間、それに快く協力してくれたメンバーの皆さん、推進してくれた職員には本当に頭が下がる思いです。

しかし、ここまでしても感染は拡大の一途をたどる中、法人としてこの事態にどの様に対応していくのか議論も重ねてきました。その中で難しかったのは、自分達の軸足をどこに置くかという事です。棕櫚亭は社会福祉法人です。社会的使命を持ち、いかなる時も地域や利用者の方々に貢献していく、これが私達の仕事だと思ってきました。そして、それが支えでもあります。しかし今回の問題は、ウイルスという火の粉が、このまま活動を続けていれば、自分達にも降りかかってしまうというリスクを大いに孕んでいました。さらに、これについての正解はどこにもなく、自治体に問い合わせても「今は何とも言えません」の一点張り、周辺の事業所の対応を聞いても、答えはまちまち、結局はそれぞれの法人に委ねられているというのが現状でした。

そんな中議論は、この状況に委縮せず、サービスを出来る限り続けたいと言う思いと、やはりリスクを考え、止むなくば一端の閉所や縮小もあるのではないかという思いの間を揺れ、時には経営層の意見が分かれる一幕もありました。しかし、4月7日に国から緊急事態宣言が、それを受け東京都から緊急事態措置が出された時、いよいよ法人の最終結論を出す必要を感じました。

そして、悩んだ結果、今回はメンバーの皆さんや職員、そして、それぞれのご家族の命と安全を第一に考え、緊急事態宣言期間は各事業所のサービスの切り替え(通所から在宅へ)、もしくは縮小を決定いたしました。(詳しくは当法人のHP4/10・4/13のお知らせをご覧ください。)決定してからも、この結論でよかったのか?やはり社会福祉法人として開所し続けるべきだったのではないか?と自ら問い直す時もありました。

しかし今は、こう思うに至りました。「まずはこの火の粉からみんなを守ろう。みんなが元気でいつづけられる事に全力を注いでいこう。そして、この事態が収束した後、笑顔で再会できる事を今の最大の目標とする。そして、その時に社会福祉法人としての使命を存分に果たしていこう。」と・・・・

この期間中は利用者の皆さん、関係機関の方々にはご不便やご迷惑をおかけする事とと思います。とにかく、職員一丸となって取り組んでいきたいと思いますので、今回の決定にご理解いただけましたら幸いです。そして、この難局を乗り越えた先に、次の一歩、そして希望が見えてくる事を願わずにはいられません。

 

【速報】休業要請への法人・事業所の対応について

法人本部 2020/04/10

メンバー・登録者・利用者・ご家族・関係者の皆様へ

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

理事長 小林 由美子

先日だされた、新型コロナウィルスに対する国の緊急事態宣言を受け、社会福祉法人としてどのような選択をするのが望ましいのか、他事業所や行政等から情報収集し、理事者で意見を交わしてきました。各事業者三者三様の対応が分かれるなか、多摩棕櫚亭協会としては東京都および国立市からの休業要請の出方を待ち事業方針を決めることとしました。

このあたりの私たちの思いは後日、ホームページでお伝えすることにしますが、本日(10日)付けで東京都から「休業要請の施設類型及びその具体的な施設」、そして「感染拡大防止に対する協力要請」が出されました。これを受けて国立市とも協議を行った結果、以下の通り法人で決定した内容の概要について、速報でお知らせいたします。

●まず、就労系サービスである「就労移行支援事業 ピアス」「生活訓練事業ピアス」及び「障害者就業・生活支援センター オープナー」の事業方針を以下の通り決定しました。

事業名 活動について
就労移行支援事業 ピアス 4/13~週半ばまで開所(確定開所日は13日)。その後通所サービスは5/6まで休止し、在宅支援(代替サービス)を提供予定。弁当宅配(昼の配達弁当、高齢者夕食サービス)は4/13~5/8まで休止。
 

生活訓練事業 ピアス

4/13~週半ばまで開所(確定は13日)。その後通所サービスは5/6まで休止し、在宅支援(代替サービス)を提供予定。
障害者就業・生活支援センター オープナー 4/13(月)~5/6(水)の期間内の平日火曜日と木曜日(10時~15時)に電話相談のみを行ないます。

 

※ピアスの在宅支援(代替サービス)の具体的な内容等詳細については、通信機器(電話・メール・ビデオ通話)を使用した内容を現在検討中です。詳細は4/13以降で説明いたします。お休みの方にはピアスより電話連絡いたします。

 

●また、国立市から事業委託を受けている「地域活動支援センターⅠ型 なびぃ」と「地域活動支援センターⅡ型 棕櫚亭Ⅰ」については、市役所と協議のうえ、以下の通り決定しました。

なびぃ 4/11(土)は、10時~16時の短縮開所。4/13(月)定休。

4/14(火)~5/2(土)の間については、開所日を月~金に変更した上で、時間短縮(11時~15時)で電話相談のみ行ないます。通常開所予定は5/7(水)となります。 

棕櫚亭Ⅰ 4/13(月)~5/1(金)閉所。

但し、4/14(火)~5/1(金)については、なびぃでの電話相談対応を行ないます(土日除く)。開所予定は5/7(水)となります。 

 

「なびぃ」「棕櫚亭Ⅰ」の詳細につきましては、明日以降皆さまに順次郵送にてご連絡いたします。不明な点がありましたら、4/14(火)11時以降、なびぃに電話にてお問い合わせください。

尚、上記決定については期間短縮・延長も含め変更することがあります。その場合ホームページ・電話(留守電メッセージ含む)・手紙等手段で、皆様にいち早くお伝えします。

皆様にはご迷惑や不安な気持ちにさせてしまうことかと心痛めている所ではありますが、新型コロナウィルス拡大防止に向け、上記決定にご協力いただくことをお願い申し上げます。上記すべての事業も必要最小限の職員配置で行ないますことも合わせてお伝えいたします。

まずは、速報にて事業開所等の概要をお伝えいたしました。理事者・職員一同心より皆様の健康を願っています。

(令和2年4月10日17時)

 

緊急事態宣言の発令への対応について

法人本部 2020/04/07

利用者・登録者・ご家族・関係者の皆様へ

社会福祉法人多摩棕櫚亭協会

理事長 小林 由美子

既に皆さんもご承知かと思いますが、本日、国より新型コロナウイルスに対する「緊急事態宣言」が発令されました。

東京都ではこれを受け、自粛要請の対象業種の公表を予定していましたが、10日を目途に見合わせるとの発表を行ないました。

従いまして、4/8~10までの多摩棕櫚亭協会のすべての事業活動は通常通り行ないます。

新しい情報が入りましたら適宜更新してまいりますので、法人ホームページのチェックをお願いいたします。

尚、ご不明な点がございましたら、各事業所の開所時間帯にお電話いただけますよう重ねてお願いいたします。

(令和2年4月7日 21:00)

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【協力依頼②】コロナウィルス対策について

研修会 2020/03/26

メンバー・利用者の皆さん・関係者の方へ

平素は当法人の活動にご理解、ご協力いただきありがとうございます。

さて、昨夜、コロナウィルスに関して、都知事の会見が報道されました。

長時間にわたる会見の主な要点は、以下の通りです。

会見の要点

・今の状況は『感染爆発の重大局面』

・感染拡大を防ぐには、都民の協力が重要

・都民に対し、今週末は不要不急の外出を自粛するよう強く要請

 

感染拡大を防ぐための具体的な行動

・屋内屋外問わずイベント参加は控える

・週末は急ぎではない外出を控える

・夜間外出は控える

※ 東京都コロナウィルス関連のページ → 新型コロナウィルス感染症に関する情報 東京都

この会見では、合わせて、感染リスクを下げる行動として「3つの密」を避けるよう協力を求めています。

「3つの密」

①換気の悪い密閉空間 ②多数が集まる密集場所 ③身近で発声する密接場面

 

これら、会見を受け、法人内部でも職員とも話し合いを続けていますが、メンバー・利用者の皆さんにも、以下の点について再度協力依頼をおねがいしたします。

多摩棕櫚亭協会からのお願い

① 体調の変化(発熱等)があれば、まずは電話相談してください。

・平日の開所時間中は各事業所へお願いします。

・深夜休日の相談は各事業所で指針をだしますのでそれにしたがって下さい。

② 都知事がいう4月12日を目途に、生活上の買い物を除き、不要不急の外出について控えていただければと考えています。これに関しても必要な相談はお声掛け下さい。

一人で不安を抱え込まないことが大切です。早めにご相談ください。

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

理事長 小林 由美子

 

【協力依頼】コロナウィルス対策について

法人本部 2020/03/14

メンバー・利用者の皆さん・関係者の方へ

平素は当法人の活動にご理解、ご協力いただきありがとうございます。

さて、この間のコロナウィルス報道などで、不安になっている方も多いのではと憂慮しております。

当法人も厚生労働省等の事務連絡に基づき予防対策をしているところです。

通常プログラムに関しましては、細心の注意を払って実施していますが、イベント等は自粛しているのが現状です。

今後の見通しについても、特にメンバー利用者の皆さんが不便や不安を感じないよう配慮しながら決定をしていくところですが、決定事項についてはホームページ等でも適宜掲載していきますので、チェックのほうお願いいたします。

そして、改めて法人事業所に来所いただく方には以下の点ご協力いただければ幸いです。

① 来所前に検温して、37.5℃を超える場合は電話で相談をしてください。

② 入館時に、アルコール溶剤にての手洗いにご協力ください。

③ 熱がない場合でも、体調等に不安がある場合は相談電話をいただければありがたいです。

4月以降のイベント等の実施に関しましては、早めに実施の可否について発信していく予定ですが、不明な点があれば電話にてご連絡ください。

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

理事長 小林 由美子

 

 

時事伴奏⑨ ~ニュースと共に考える~

法人本部 2020/01/29

知と行動

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会

ピアスタッフ 櫻井 博

正月休み(1/2)に病院を訪ねてみた

彼には家族はいない。遠い親戚がいるらしいが、もうしばらく会っていないという。なにか手土産でもと思ってスーパーのお寿司を持参した。病院は、世の正月のお祝いムードとはかけ離れて静けさに包まれていた。

病棟に続く廊下の長いことにあらためて気づかされた。受付の警備員の応対も看護師の対応も以前よりずっと感じのいいものだった。前回のチョコレートの差し入れが問題だったようで、面会時はいっさい飲食の持ち込みは禁止されていた。糖尿病の恐れがあるということで、少しのお寿司ぐらいという、願いも看護師さんの「生ものですから」という一言で一蹴され、食べることは叶わなかった。こちらの喜ぶ顔がみたいという思いが無残にも打ち砕かれた。そんな思いだった。主治医からは「当分退院は見通せない。(冗談交じりに)ここでずっと生活もできる」などと長い入院生活を暗示する言葉もでて驚いて帰宅した。なにかがおかしい。「寝る前に20錠以上服薬しているからみたいだ」と当惑している顔が忘れられない。

 

Eテレで観た番組

翌日偶然テレビのスイッチをいれてこころの時代~宗教・人生~「沈黙は共犯 闘う医師」(Eテレの1月3日1:30~1時間)の番組を観た。

タイトルにある「闘う医師」とはコンゴ民主共和国の婦人科男性医師で、2018年ノーベル平和賞を取ったデニス・ムクウェゲという人物だ。彼はレイプ(武器)がいかに人々を恐れさせ共同体を壊していくかを詳しく語っていた。この武器を使って、国の利益である自然を奪っていく論理を展開し、武器が人々を共同体から去らせ、自然の富を奪って、文明の搾取が行なわれている現実を語っていた。彼は、知恵、知識は「行動してはじめて意味のあるものになる」という理論を展開し、知と行動を起こすことの重要性を熱く語っていた。

「沈黙は共犯」というタイトルは黙っていることは闘うことの正反対にあることを語り、「今こそ行動を」という闘う意思を示す態度のもつ重要性を世間に問うていた。

知らないことを知っているという「無知の知」を提唱したのはギリシアのソクラテスだが、「知って行動する」というほうが私には腑に落ちる。

 

医療連携と行動

翻って病院の話に戻る。寝る前に23錠服薬しているという彼に退院という道はあるのだろうか。私ができることはなんだろうか。退院は彼の望むものなのか。頭に到来するあれこれには結論がでない。でもこのテレビを見た後では、沈黙はできないそんなことを考えた。

退院という言わば自由への扉を開ける役割といえばおこがましい。

「医師がいて病院があれば安全なのに何故?病院にいれば安心なのに。」

ふと思ったそんな考えを私はすぐに打ち消した。私も10年以上前、病院から退院した時に、地域がこんなに自由で楽しいものとは知らなかった。そんな気持ちをもう一度彼にも味わってほしい。たったそれだけのことである。

確かに病院は病気を治すために自由を制限するところである。でも精神障害の場合、病気が治る線引きが難しいなか、主治医が可能な限り退院を認めることを前提に、地域と医療の連携重要性が問われることだと思う。

このような体験と知識を得て、「地域でできる精一杯の仕事をやりたい、そのために私自身もう一歩踏み出したい」と思った新年だった。

当事者スタッフである私は、今年も「時事伴奏」の中で、不定期にでも思いを発信していきたいと思っています。よろしくお願いします。

[ご報告]映画会「いろとりどりの親子」

研修会 2020/01/09

ご報告が遅くなりましたが、昨年11/20に行った映画会のご報告をさせていただきます。本来は法人報告会にて同時に行うはずだった映画会ですが、台風の影響で残念ながら中止になりました。ですが、皆さまの御協力により、別の日程で映画会を開催することができました。

映画会チラシ

この映画に決めるまでには、プロジェクトメンバー3人で、色々な映画を出し合いかなり悩みました。なかなか決まらず、宿題で候補映画を観てくる(笑)などをくりかえし、ようやく決めました。この『いろとりどりの親子』に決めたのは、棕櫚亭の理念の中にある「幸せ実現」ということをみんなで考えたいと思ったからです。その人にとっての幸せってなんだろう、これは、棕櫚亭がこれまでずっと大切にしているテーマです。一人一人が違うように幸せのかたちも違うし、無限に存在する。そのことを気が付かせてくれる、そんな作品であるこの映画を選びました。

当日は、前回『さとに来たらええやん』の上映会をしたときと同様、職員の協力で軽食用のおにぎりセットをお配りし、参加された方に喜んでいただいていたと思います。

映画平日の夕方にもかかわらず、ピアスの2Fはいっぱいになるほどたくさんの方が参加してくださいました。この映画会は、映画を観る事だけにとどまらず近隣の施設の方や地域の方とつながるきっかけにもしたいと企画したものです。上映が終わった後に新たな出会いがあったり、映画の内容を語り合えたり、久しぶりの再会を喜び合ったり…限られた時間の中でも同じときを共有し、たくさんの笑顔でつながりあえたことがとてもよかったと感じています。

上映をしてみてのプロジェクトメンバーの感想を以下に記載させていただきます。

選ぶ段階でプロジェクトの中で色々な映画の候補が出たのも面白かったです。また、自分が今まで見た映画をもう一度考えるきっかけにもなりました。そして、人と見ることで受け取り方が広がっていくことも実感でき、上映会(大勢で見ること)の醍醐味だと感じました。見た後みんなで話す時間取れたらよかったのかな、とも思います。【増田】

棕櫚亭の映画会ということを考えると、「精神の映画がいいのかな」とも思っていましたが、今回この映画を上映し、日々接している世界だけではなく「社会全体から色々なテーマを吸収しないといけない」という、当たり前のことに改めて気が付くことができました。この映画を上映してよかったと思います。【高橋智】

今回の映画選びにあたって初めて「職場で見る」ということを意識しました。その見方をすると今までみた映画の見え方が変わったり、その後に見た映画の受け取り方も変わったような気がします。映画会を通して、「上映作品を選ぶ」という作業にかかわれたことで、映画を見る際のアンテナが増えたので良い機会になりました。【小山】

参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

引き続き3人の映画プロジェクトは続いて行く予定なので、第二弾の上映会もご期待ください!!!

(映画会実行委員 増田・高橋・小山)

本来なら、当日終了後に参加した方々と一緒に感想を共有したかったのですが、時間の都合上できませんでした。参加した棕櫚亭職員に感想を聞いてみたので掲載します。

 

(さらに…)

年末の御挨拶と冬休みのお知らせ(各事業所)

法人本部 2019/12/29

いつも法人ホームページをごらん頂きありがとうございます。

多摩棕櫚亭協会もメンバーさん、御家族、関係機関のお力添えをいただきまして令和の初年を無事終えることができました。

とはいえ、全国的には自然災害の多い年でもあり、安心・安全に暮らせることの幸せを考えさせられる年でもありました。

新年におきましても、皆さんのご支援・ご鞭撻いただけますよう重ねてお願い申し上げます。

皆さんにとっても新しい年がよい一年でありますように。

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会 役員・職員一同

 

【事業所休み】

ピアス ・ オープナー ・ 棕櫚亭Ⅰ  →  12/28 ~ 1/5 (1/6より開所)

なびぃ  →  12/29 ~ 1/6 (1/7より開所)   

 

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