無事絵画展が終了しました

棕櫚亭Ⅰ 2019/05/22

 

毎年恒例になっている棕櫚亭Ⅰの絵画展ですが、12回目の絵画展も無事終了しました!
今年度も、昨年度に引き続きくにたち福祉会館さんをお借りして展示させていただいたので、たくさんの方に見ていただくことができました(^O^)!

前日の準備には、メンバーさんも手伝っていただき

HP用①

日頃よりお世話になっている小堀先生にアイディアを頂きながら、素敵な展示になりました!

HP用②HP用③ HP用④

作成したパンフレットも、追加で作成するほど受け取っていただき、大盛況の一週間でした。

いただいたアンケートの中には、「色んな絵が個性的でよかったです」「毎回たのしみです」「毎年続くといいなあ」「色鮮やかで素晴らしい!」など、うれしい声をたくさんいただきました(*^_^*)

ご来場の皆様、本当にありがとうございました。

また皆さまに見ていただける日のために、これからも絵画制作に励んでいきたいと思います(^^)/

賛助会通信「はれのちくもり」発行しました(2019年4月号)

法人本部 2019/05/22

多摩棕櫚亭協会 賛助会通信「はれのちくもり」第112号(2019年4月号)を発行しました。

賛助会通信2019年4月号

主な内容は

  • 福島研修旅行について
  • 出版のお知らせ
  • ご支援・ご寄付のお礼
  • 新人職員のご挨拶
  • 各施設の予定・お知らせ

です。是非ご一読くださいませ。

 

また、賛助会へのご入会につきましては、こちらのページをご覧ください。

賛助会へのご入会

なお、お手元に届いていない会員の方や、住所変更等希望される方がいらっしゃいましたら、お手数ですが棕櫚亭までご連絡くださいますと幸いです。

多摩就労支援ネットワーク会議を開催します

オープナー 2019/05/22

毎年ハローワーク立川と共催で行っております、『多摩就労ネットワーク連絡会議』を今年度も開催いたします。

「依存症・摂食障害の理解」 ~就労支援の手掛かりを探る~

講師 医療法人社団碧水会 長谷川病院 デイケア科科長 佐々木真一氏

・日 時  2019年6月6日(木) 14時~16時
・場 所  立川地方合同庁舎(ハローワーク立川) 3階会議室
・対象者  就労支援機関・ハローワーク・行政・就労相談・支援に携わる方
・定 員  100 名(定員になり次第締め切りとなります)
・申込〆切 先着順

詳しくは以下をご覧ください。

2019年度多摩就労支援ネットワーク連絡会議チラシ

[ご報告]第3回精神障害者就労定着支援連絡会を開催しました

オープナー 2019/05/22

2018年度より、オープナーでは東京都福祉保健局による「精神障害者就労定着支援連絡会」を事業受託しています。

<前回までの報告はこちらをご覧ください>

だいぶ間があいてしまいましたが、1月18日に行われました第3回セミナーを報告させて頂きます。第3回は「働く当事者からのメッセージ~当事者セミナー」と題し、連絡会事業との同時開催という位置づけとさせていただきました。

 

【当事者セミナーとは】

今年度で8回目の開催となりました。登壇メンバーは、毎月オープナーで行っている、働く当事者のための茶話会、通称、「仕事談話室」のメンバーと、談話室には参加していないが、伝えたいことがあるメンバーです。内容は、これから病気と付き合いながら働こうと考えている方達に向けて、障害者雇用の実際を自分の体験談を通して、時には失敗談も織り交ぜながら語ってもらいます。

次のステップへ踏み出す足がかりや就職までのイメージ作りに役立てて貰えたらという想いで開催しています。

そのため、今回のセミナー参加者は、精神科病院やクリニックのデイケアに通所中の方、就労支援機関や地域活動支援センターにて準備をすすめている方、またそれぞれ施設の支援者、各企業の人事担当の方、現場指示者の方等、様々なお立場の方が集まっての回になりました。

 

第1部は「私の病気と障害」40代男性のオープナーメンバーに講師として登壇して頂きました。

発病前どんな生活をしていたか、どんな学生時代だったかから始まり、統合失調症を発病した頃のこと(在職中だったそうです)、病気がありながらどのようにして訓練して社会復帰していったか、またその葛藤などが生々しく語られました。そして支援機関を使っての転職活動や、その後転職し長く働き続けている工夫までお話いただきました。

話の中で印象的だったのは「昨日の自分を超えていくという心構えをもっている」「厳しい現実も事実として受け入れることも大切」ということでした。

つい発病以前の自分と比べてしまったりということもあったそうですが、仕事を任せてもらう中で成長し自信がもてるようになったそうです。

また、デイケアや通所先に日々通っている皆さんの中には自分がやっていることに自信がもてなかったり、前に進むにも回り道をしていると感じる方もいると思いますが、そんな方へのメッセージとして、「希望を持って生きていく事は病気に効く」という話もありました。他にも具体的な病気の予防と対処として「よく寝る/服薬をしっかりする」、仕事の乗り切り方は「仕事の事は職場でだけ考えて、ON・OFFをはっきりする」ことだと紹介して下さいました。

第2部では「準備と定着とは?」と題し、3名のオープナーメンバーとパネルディスカッションを行いました。

1人めは特例子会社にて事務職として6年半勤務の男性、2人目はアパレル関連で接客業を4年弱勤めている女性、3人目は特例子会社で店舗巡回清掃を1年勤めている女性です。それぞれに背景や生活環境が違い、部下をもつ人、すでにかなり独り立ちされている人、2年目に入ったばかりの人、家庭をもっていたりお子さんがいたりとバラエティに富んでいます。

話題は自己紹介がてらのそれぞれの道筋の紹介、自分に合っている通所先の見つけ方、仕事と生活のバランス、自分の病気と付き合いながら働くための努力、生活面での工夫等が話されました。自由な雰囲気の中、3人のキャラクターで笑いもおきながらの和やかな会になりました。

中でも特にアンケートや皆さんの反響があった話題を紹介すると、1番は「相談について」でした。

「相談するコツ」や「相談って何のためにやるの?」「愚痴と相談の違いって?」と、自分が働く中で相談することがどのように重要か、どう生かしているかが話されました。

ある人は「自分の判断で突っ走っちゃったりすることがあるので、相談をしたことで自分で判断せず答えを貰えたことがよかった。すごく楽になったが勇気はいる。トレーニング時代は出来なかった」との答え。また他の方は「どこからが相談かが難しく、支援者と話していても相談はあまりしてこなかった。自分が思った答えが返ってきて欲しいからそうじゃないならいいやと思って。職場では堅苦しくやらなくてもいいと思います!」と。また3人目の方は「自分の気持ちの整理として相談している」とのこと。他にも「いい人ぶりたい気持ちもあるので、そもそも言い辛い」などなど、3者3様の本音トークが新鮮でした。

支援者の立場からすると、つい口癖のように「相談して下さいね」と言いがちですが、相談をもちかける時の効果的な話し方や支援者を上手に活用していく方法については、社会人歴が長い方のセリフにはさすが!の説得力がありました。またパネリストメンバーの「相談しても意味がないんじゃないか、自分で判断した方が自分の経験にもなるし、評価されるのではないか」という気持ちにもどこか共感できますし、障害があるなしに関わらず社会人として誰もが感じる部分だなと感じます。

そういった部分も包み隠さず話し、ご参加の皆さんと質疑応答を通してやり取りできるところも当事者セミナーのいいところでもあります。

最後に会社の人事担当者へのメッセージ、支援者に向けてメッセージもお聞きしました。

「長い目で見て支援してほしい」「道半ばで送り出さずに、社会人としてのルールやマナーを知った人を送り出してほしい」とのコメントがありました。

 

連絡会は2019年度も引き続き行っていきます。ご参加いただいた企業・支援機関の皆様、ありがとうございました。

(高橋智子)

 

 

『ある風景 』公開日程延期のお詫び

法人本部 2019/05/10

いつも当法人及びホームページをご愛顧頂きありがとうございます。

本の出版に先駆けて特集/連載しておりました「ある風景」の公開を5月17日に予定していましたが、発売日が5月28日に確定したことを受け、公開日の日程を変更することにいたしました。

(公開変更前)5月17日 → (変更後)5月31日

「楽しみにしています」とお声かけしてくれる多くの皆さんには、大変申し訳ありません。

そして、ぜひとも

『精神障害のある人の就労定着支援』  天野 聖子 著

を、予約くださいませ。

「ある風景」編集委員会

カテゴリから関連する記事をさがす
法人本部そのほか
タグから関連する記事をさがす

タグはありません。

新しくなった「ピアスⅡ」を紹介します!

ピアス 2019/05/08

去年の今頃、ピアスⅡはお引越しをしました。だいぶ時が経ってしまいましたが、今日は新・ピアスⅡを紹介したいと思います。

場所は線路沿いの建物からピアスのふたつ隣に移り、夏の暑い時期も冬の寒い時期も、行き来のしやすい立地となりました。暑さに弱いので、とてもありがたいです。

新・ピアスⅡはこんな感じです

piasu2_1

お引っ越しに伴い、看板を作りました。棕櫚亭のホームページのシンボルと似ていますが、実はピアスのパンフレットにあしらわれているを基調にしています。

ピアスⅡでは主に生活訓練のメンバーと、就労移行に入所して1ヶ月めのメンバーがトレーニングをしています。生活訓練では弁当宅配部門でお客様にお届けするお箸の袋を作ったりする「軽作業」を、就労移行ではいろいろな事務の模擬作業である「ワークサンプル」を行っています。生活リズムを整えながら通所を安定させたい、2時間集中して作業をできるようにしたい、自分から声をかけられるようになりたい……メンバーによって目標はさまざまです。

piasu2_2

お昼はおしゃべりをすることもあれば音楽を流すこともあり、思い思いの時間をゆったりと過ごしています。今のメンバーさんは音楽やマンガ好きの方が多いので、そういう話をすることが多いかもしれません。共通の趣味を語り合ったり、自分の知らないジャンルの話を聞けたりと、楽しい時間を過ごさせていただいています。

これからもみなさんの「働きたい」を応援しつつ、日々活動するなかで人と交わる楽しさや、信頼関係の作れる場所としてピアスⅡをつくっていけるといいなぁと思っています。

気になった方はぜひ、ピアスⅡへ遊びに来てください。

(ピアス 大貫)

今年も絵画展を行います!!

棕櫚亭Ⅰ 2019/04/30

 

今年も 棕櫚亭Ⅰ絵画展 開催します(^^)/

立川の伊勢丹さんで始まり、トゥリニテ・ピアスⅡ・くにたち福祉会館さんをお借りして行ってきた絵画展も、今回で12回目を迎えます。

そんな今年の絵画展タイトルは『絵画への招待状 ~桜の絵画~』になりました(*^_^*)

開催期間は5/15(水)~5/20(月)。(土・日も開催します)
場所は昨年と同様、くにたち福祉会館さんの1階廊下で行います。
くにたち福祉会館さんの開館時間であればご自由にご覧いただけますが、10:00~16:00に間は担当がブースにいますので、是非そのお時間にいらしてください(^^)/
(12:00頃からお昼休憩を頂く場合がございます。ご了承ください。)

以下は昨年の絵画展の様子です。

HP用⑥

HP用②

今年も、小堀令子先生とたのしく描き上げてきた個性豊かで素敵な作品をたくさん展示する予定です。

是非ふらっと遊びに来てください(^○^)♪

絵画展チラシ

 

 

 

 

 

チラシはこちらからもご覧いただけます→絵画展2019チラシ

1日レクでスタミナ太郎に行ってきました

棕櫚亭Ⅰ 2019/04/30

昨年は横浜中華街、その前は浅草、と1日レクといえば遠出!のイメージがついていたここ最近ですが、今年は立川駅からバスで15分ほど行ったところにある、スタミナ太郎NEO立川店さんに行ってきました(^O^)

着くや否や大量のお肉が、、、!!
HP用①

 

 

 
メインは焼肉食べ放題のお店なのですが、ほかにもサラダやお寿司・ラーメン・うどん・カレー・からあげ・たこ焼き・ポテトフライ・フルーツ・アイスなど、目を惹いてしまうようなお料理がたくさん(*^_^*)

色々なものを召し上がった方もいれば、「お肉をたくさん食べる!!!」とお肉とアイスでお腹を満たしていた方もいらっしゃいました(^O^)

90分のコースだったのですが、終わるころには大満足。
HP②

 

 

 

やっぱりみんなで食べるごはんが格別のおいしさでした(*^_^*)

特集/連載 Part ⑫『ある風景 〜共同作業所〈棕櫚亭〉を、私たちが総括する。』 “未来へのヒント”

法人本部 2019/04/26

ある風景 ~共同作業所棕櫚亭を、私たちが総括する。

未来へのヒント

社会福祉法人 多摩棕櫚亭協会
常務理事 高橋 しのぶ
(精神保健福祉士)

作業所の原風景

「作業所のある風景」というと、一番目に浮かぶのは棕櫚亭Ⅰ(だいいち)の台所です。私が20代の時に過ごしていたのですから、古い一軒家の頃です。台所の隅にL字型に二つベンチが置いてあり、灰皿を挟んで丸椅子が置いてありました…… そう、灰皿が作業所の一番いいところにあった時代です。昼食作りの合間や昼休み、夕方によくお茶飲みながらみんなでおしゃべりしていました。台所はⅠの中心地と言ってもよく、時として大勢でにぎわう空間であり、そして時には一対一で静かに語り合う穏やかな場でした。

思えば、私が初めて棕櫚亭を訪れたのもⅠでした。その時はまだ学生で、市内の公民館にある喫茶運営に関わっていました。そこで作っているクッキーを保存する瓶を探していたら、「リサイクルショップに見に行ってみたら?」と教えてもらったのです。そのころのⅠには、通り沿いに棕櫚の木がまだ何本も生えていて、まるで映画に出てきそうな一軒家でした。土間のようなところにリサイクルショップ「ぱるむ」があり、共同作業所という言葉すら知らなかった私は、「国立にこういうところがあったんだ!」という驚きとともに、「この小さなコーナーに大きな瓶なんてあるのだろうか?」と思ったのですが、ありました(友人の情報は正しかった)。それにもまして驚いたのは、応対をしてくれた女性が、私が喫茶の当番日にコーヒーを飲みに来てくれたグループのお一人だったことです。その時は、まさか1年後に自分がぱるむの業務で市内を走り回ることになるとは思いませんでした。

生活者になる

大学卒業後、喫茶店運営に夢中なままの私は、アルバイトをしながら別の大学の通信課程になんとなく在籍し、これまたなんとなく友人(山地さんです)に誘われて棕櫚亭のアルバイトを始めました。私が入った時には作業所は三つになっていて、各作業所についていた「明るく元気に美しく」「食えて稼げてくつろげて」「寛いで寛いで寛いだら」というキャッチフレーズをもとに、創設者である4人の職員たちが得意分野を生かして、棕櫚亭や精神障害者を取り巻く歴史、補助金のこと、病気のことについて研修してくれました。

メンバーと一緒に作業をし、専門家ではなく共に地域で暮らす生活者として関わることを棕櫚亭は何より大切にしていました。一方、公民館で社会教育と出会い、様々なところへ研修で連れて行ってもらっていた私は、他の同年代の人よりも社会を知っていると思っていたかもしれません。なんと世間知らずだったことか…… ほどなく自分がそもそも生活者になっていないことに気づきました。だって、自分の生活の土台となることは家族にやってもらっていたのですもの。

昼食作り、公園清掃、雑巾作り、毎日先輩メンバーに教えてもらいました。私は食材の値段もあまり知らなかったので、みんなで出し合った予算で人数分の材料をやりくりすることや料理の仕方から始まって、精神病院のことや薬、生活保護制度のこと等、ほとんどが新しい世界でした。「お母さんに習わなかったの?」「やったことないの?」等々、特に昼食作りでは先輩主婦メンバーが驚きながらもやさしく教えてくれ、料理が上達していく事に喜びを感じていました。

「楽しくて、お互いのため」に棕櫚亭と地域は結びついていた

棕櫚亭は私が入ってほどなく、法人化に向けて動き出しました。社会福祉法人になることがどういうことかを深くわからないまま、私は三回目となるコンサートの担当になりました。

「自分たちが楽しくて、棕櫚亭のためになる」をモットーに集合した運営協力グループ「外野手(そとのて)」と、これまでの2倍近い1,500席余りのホールを使っての“憂歌団”コンサート。法人化のための資金作りも掲げつつ、1年間かけて準備しました。夜の実行委員会では誰を呼ぶのか、どうチケットを売るのかなどを侃々諤々(かんかんがくがく)議論し、終わったあとの飲み会から合流する人達もいて、外野手メンバーの家族が経営していた居酒屋の2階では、これまで出会わなかった地域の人たちとの時間があっという間に過ぎました。そして迎えたコンサート当日、会場の一番後ろから“憂歌団”のメンバーが登場してくるのを見た時には、もう感無量で涙がこぼれました。

とはいえ、ただ一生懸命なだけでしなやかさのなかった私は、周りの方たちにたくさんの迷惑をかけました。結果として目標としていた資金が作れたかどうかは覚えていないのですが(笑)、私にとってこの外野手コンサートから得た経験は格別なものです。

コンサートの棕櫚亭らしかったところは、福祉を前面に出さず、そのアーティストを聞きたいお客さんに来てもらって、さりげなく棕櫚亭のことを知ってもらう、そのようなスタンスであったことだと思います。それは、Ⅰのキャッチフレーズである「明るく 元気に 美しく」にも正に表現されています。「福祉っぽくなく」とも言っていましたが、「作業所を地域の中の特殊な場所にしない」という設立からのモットーが随所に表れていました。

憂歌団(木村さん)とコンサート打ち上げで

憂歌団(木村さん)とコンサート打ち上げで

地域という視点では、楽しそうな事や興味深いテーマに出会ったら身内だけで行わない、地域に広げるというのも棕櫚亭が大事にしていることです。現在のこども食堂や学習支援への夕食配達という、地域貢献活動から繋がった地域の方たちとの協同も、「食」だけにとどまらず、一緒に研修を開催したりするようになってきています。ここにも棕櫚亭を開いた場所にしよう、楽しいことは自分たちだけで独り占めしないという作業所文化が継承されています。

作業所を再度考える

 今後、障害者自立支援法という新しい枠組みの中で、作業所がそのままの形で存続していくことはいよいよ難しくなってきました。この法律がどうかということは別として、これまでの作業所活動のよかった部分、反省すべき部分、両方を振り返るときが来ていると思います。それを踏まえ、今後どのような活動をしていくとしても、これまで大事にしてきた「安心してチャレンジできる」「仲間に出会える」「自信の回復につながる」そして何よりも「元気になる」場所であることを目指してきたいと考えています。

2006.9 はれのちくもり ピアス物語 「作業所の今、そして今後」 より抜粋

これは、棕櫚亭が2006年に出版した『はれのちくもり ピアス物語』に、私が寄せた文章の最後の部分です。この頃作業所はピアス設立後の機能の再構築というテーマに加え、2000年前後から始まった社会福祉の基礎構造改革により、「支援」や「サービス」という言葉が各現場に入ってきていました。また、出版と同年に施行された障害者自立支援法により、現在の施設は5年以内に法に定められたいずれかの事業体に移行しなければいけないことも決まっていました。この大きく精神保健福祉の流れが変わり始めた頃、作業所はその機能の必要性と重要性を確信する一方で、先行きが見えない不安に包まれていたように思います。実際、この頃私がいた立川では、作業所連絡会の話し合いを何回も行って、作業所機能の存続(地域活動支援センター)を行政に求めていました。

時は流れ、自立支援法が総合支援法に変わった現在、東京に200か所以上あった作業所は法律上消滅しています。その多くは個別給付と呼ばれる就労継続支援事業B型に移行しましたが、平均工賃によって収入がかわる報酬の仕組みに存続の危機を感じているところも多いと聞きます。さらに規制緩和という名の下に競争原理が導入され、事業所の役割はますます細分化され隙間を埋めづらくなりました。社会自体も、少子化や高齢化、そして災害が繰り返される中、家族は分断され、その影響は高齢者や障がい者、ひとり親、こどもなど弱い方弱い方へと拡がっています。

そのような中で、共同作業所のような機能を補助金や委託費で展開していくことは、もう現実的ではないかもしれません。しかし、時に混とんとしつつも、作業所には社会を知る上でのすべてがあったことは、私たちに未来へのヒントをくれているような気がします。

生身の人間同士が時にぶつかり合いながらともに過ごすことによって相互理解が生まれる場所であった、その相互理解から生み出される「居場所」という宝物だったと思います。

最後に…… 棕櫚亭Ⅰの台所

  大した事務仕事もなかった入りたての頃、よく夕方にⅠの台所のベンチでメンバーとおしゃべりしていました。ある時、当時私の母と同じ年くらいのメンバーと二人になった時間帯がありました。なんてことない話から、その方は自分のお母様の話をし始めました。その方の若い頃に、お母様が自分の目の前で服毒死されたのだそうです。私は絶句してしまい、何を返したか覚えていません。その方はまるでその時に戻ったかのように、お母様がこころの病で苦しんでいたこと、目の前で薬を飲んで苦しむ姿をどうしようもできなかったことなどを涙ながらに語り、最後に「こんな話をしてごめんなさいね」と涙を拭っていました。私は、それまでその方の何を見ていたのだろうと思いました。作業所でのやりとりだけで、その方に対する印象を勝手に決めつけていた自分をとても恥ずかしく思いました。

この人に話して良かったと思ってもらえるような人になりたい、少なくとも話したことを後悔するような職員にはならないように力をつけようと強く思いました。それが私の人と関わる仕事を続けていく上での原点の一つです。常に自分の姿勢やありようを変えてくれる、それを体感させてくれる時間でした。

当事者スタッフ櫻井さんのコメント

ある風景も最終回を迎え、高橋さんの台所からの報告は本当に情景が目に浮かぶようです。「生活者になる」のくだりは、そうそうあるあると思わず声をだして読んでいました。私も十代の頃から病気になった為、生活のほとんどを親がやってくれ食材の値段に目がいくようになったのも恥ずかしい話ここ数年のことです。でもそんな「野菜の値段が高くなったですね。」という話題から人は心を開き様々な話題に及ぶのも、長く病気になっていると気づきません。社会に繋がるというのは生活を自分で組み立てる楽しさを経験していく、そんなことを高橋さんの文章は言っているような気がしました。憂歌団の話も楽しいお話です。障害者自立支援法、総合支援法のなかを棕櫚亭がどう泳いでいくか、そんなことを考えながらも大切なことを伝えています。「この人に話してよかったと思えるような人になりたい、少なくても話したことを後悔するような職員にならないように力をつけよう」と。

この原点こそが大切なことだと思いました。

ある風景も今回で最終回です。次回は対談編になります。お楽しみに!

編集: 多摩棕櫚亭協会 「ある風景」 企画委員会

もくじ

 

5月の予定をお知らせします

棕櫚亭Ⅰ 2019/04/25

 

あっという間に桜の時期も終わり、5月になろうとしています。

棕櫚亭Ⅰでは4月の最初のウォーキングで大学通りに桜を見に行きました。

HP用① HP用②

桜の時期には桜を、銀杏の時期には銀杏をたのしみに行っています(^.^)
今年も綺麗な桜を見ることができました。

5月は春のおたのしみ会や毎年恒例の絵画展も行う予定です。
絵画展は5/15(水)~5/20(月)にくにたち福祉会館さんの1階廊下をお借りして行います(^O^)

またGWは4/30(火)、5/1(水)、5/2(木)は9時~16時で開所します。

詳しくは下記の予定表をご覧ください。

5月の予定表はこちら→5月月間予定表

 

カテゴリから関連する記事をさがす
棕櫚亭Ⅰ
タグから関連する記事をさがす

タグはありません。

トピックス